2012/12/25(火)ソワレ
KAAT神奈川芸術劇場
座席 七列センター
Noism1&2『solo for 2『中国の不思議な役人』神奈川公演
Noism1『soro for 2』20分
J.S.バッハ<無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ>より
第1番 Sarabande
亀井彩加、角田レオナルド仁
第2番 Allemande
井関佐和子、小尻健太(尻は九でなく丸)
第1番 Corrente
櫛田祥光、藤澤拓也
第2番 Corrente
藤井泉、中川賢
第1番 Allemande
宮河愛一郎、青木枝美 真下恵、宮原由紀夫
第2番 Sarabande
井関佐和子
Noism1&Noism2『中国の不思議な役人』30分
B.バルトーク
養子の娼婦(ミミ) 井関佐和子
役人形(役人) 中川賢
役人形の黒衣 宮原由紀夫
ミミの養父(悪党3) 宮河愛一郎
ミミの養祖母(悪党2) 藤井泉
ミミの義妹(悪党1) 真下恵
金粉の老人(老人の放蕩者) 藤澤拓也
虚弱な少年(若い学生) 小尻健太
黒衣 Noism1&Noism2
ネタバレです。
そして印象のかきとめです。
よろしいですか?
行ってきましたNoism!!!
永野さんが前いたカンパニーとは知っていましたがそれ以上はなにも知らなかったので
ダンス公演に手を出すのがとても緊張しました。
壁というものはいつも自分で勝手に作り出してしまうものですね。
私なんかに理解できるのかな?などそんなの思ってもしょうがないからとりあえず行ってしまえ!と思います、今なら。
というのは気持ち的な部分においてだけですけれども。
気持ちだけで公演は観に行けませんからそれはまた別です。
そういえばKAATとっても面白い劇場でした。
今回はなのですかね?
かなり客席が急なので観やすかったです!
M2階にはカフェもあって居心地良くてもう一度行きたくなる劇場だなと。
初見時の感想はたとえ間違っていても
その時だけの貴重な感想だと思うので
簡単に直してこの時の記憶を付け足したいと思います。
音楽が先に鳴り、スーっと上がっていく幕
何かの卵のようなものが集まったようなライト
すると黒い台の上で動く、揺れる黒衣たち(全身真っ黒の人型のもの。ただしこの時は人らしかった)
ざわめき
うねり
人が、な気もするし
色のついた風、または悪い風のような気もする。
何かがうごめいている
秘めているもの、そのパワーを淡く感じる
強くではない
黒衣たちが台から降りる
どこかの民族的な印象を受ける衣装を身に付けた3人
1人は大柄な男
2人は少女とも言える印象を持てる女の子
台の幕がはがされ赤いテーブルが現れる
高さはちゃぶ台くらいの低さ
その台の下から引きづり出される少女なのか女なのか
印象としては曖昧な年頃の人が現れる
そのひとは台の下の幕の中にいた
大切にされていたのか
いなかったのか
そのひとは台の上に立たされる
その状況を受け入れているそのひと
そのひとは踊り指さし何かを予感させる
下手から老人が歩いてくる
台に近づくと金色の細かい砂のようなものを投げる
カオナシみたいですね
ただそのひとは流されない
老人はそのひとに近づきそのひとを触る
その触りかたはひどく気持ち悪い
そのひとを触っている内に老人から金目のものを奪っていく3人
どんどん金色のものをまく老人
嫌がるそのひとから老人を離す男
どうやら取れるだけ取り終わったらしく用済みだと老人はそのひとから遠ざけられる
もう一度指差しデジャヴ
今度は青年が客席(上手最前列最上手席)から立ち上がる
そのまま近づかない青年に歩み寄るそのひと
そしてそのひとにびくびくしながらも
そのひとに流されていく
そのひと、3人は青年を調べるが金になるようなものは帽子しかない
それだけ盗むと青年は引き離された
そのひとは名残惜しそうに青年に手を伸ばした
すると黒衣たちの奥からかき分けてやってくる青い人
後ろには黒衣がつき黒衣は青い男を操っている
青い男は操られている
顔は白い
もしかしたら死んでいるのかもしれない
死んでいなくとも気持ちのない人の体を持つ操り人形
動きもとても人らしからぬ怪しい出来れば近寄りたくない印象をもつ
いってしまっている
一線をこえている
やばい
と思ったのはそのひとも3人も同じようで見ている
それをみている
それはキョンシーを思い出す
動きを止めたそれに3人はそのひとを押し出す
そのひとは拒否するが3人は押し出す
恐る恐るそれに近づくそのひと
触れずに近づき逃げる
動かない
今度は触れてみる
動かない
あまりに動かないのでできる限りの誘惑をしてみる
動かない
そのひとはイラつき台を叩く
2人がそれに弾き飛ばされたのを見てそれに対して愛でも持ったのかと思うほどの表情をする
そのひとはそれは私がいいのよとでも言いたげな顔
何の瞬間かいきなり黒衣が操り、人形はそのひとの手を掴む
そのひとは逃げようとするがそれは離さない
手が離れたあともただそのひとを求めて手を伸ばす
そのひとは必死に逃げる
けれど執拗に追ってくるそれ
3人の男の着ていたものをそれに被せる
正確には男と黒衣
それでもそれははいだそうとする
次第におとなしくなるが再び動き出す
男だけで止めていたのが3人がかりでそれを止める
3人は後ろにいた沢山のの黒衣に止められる
それはついにはいだした
そこを台に閉じ込められる
すると黒衣が青い男を止め出す
青い男は黒子の意志に反して勝手に動きそのひとを求める
三度それは2人の1人に鋭利な三角形のもので刺される
それでも息絶えることなくそのひとを求め続けるそれ
どうしようもなくなった3人はそれを首吊りにする
つった瞬間照明として集まっていた卵のようなライトが一斉に舞台上に広がり単体で光る
吊られてもうごめくそれ
青い男の動きを止めようとする黒衣
そして黒衣は息絶えるが動き続ける青い男
ふとそのひとは何かに気がつき青い男を下へ下ろす
青い男と一緒になる
青い男に幸せのようなものが見えた時急に苦しみ出す
それを知っていたかのようなそのひと
倒れた青い男をそのまま放置し
そのひとは三人を残し1人光の向こうへ去る
3人は利用するつもりでそのひとを守ったが
そのうちにそれを恐れそのひとを守り
それに蓋をしようとする
なくしてしまおうとする
本当になくなる事はない
本当になくなるのは向き合って自分ではなく相手が満足したとき
黒衣たちの示す動き
これがストーリーの人々を見ていると背景にいて
自分でも知らぬ間に見ているようです。
『soro for 2』
無音の中開く幕
肌色と黒の衣装の人が半々
それぞれ椅子に座っている
1人立ってる
とても無機質な空間
そこで流れるように
水や風
またはまるで物のように
でもそこに存在している自然
椅子が3本まっすぐ、1本は曲がっていて傾く
人に支えられ座るという意味をなす椅子
シュールレアリスムな風景
時間が過ぎるのがとっても早く感じました
こんなに明確に伝わるものだろうか。
今までのダンス公演は分からないだったけれど
これはそれとなく分かるし面白い。
けれど私の思う面白いではない。
ストプレのよう。
JCSジャポのように意図をストレートに伝えるセットなり、踊りなり...凄い。
↓後で呟いたもの
・今までのダンス公演は公演後凄いと思うと同時にもやもやした分からないという気持ちが共存していたけれど今日はすっきり!終わって素直になれるダンス公演は初めてです^^
・シュールレアリスムな空間は横浜トリエンナーレ行った帰りのように見るものすべてが芸術なんじゃないかと思えるような。
・矛盾のある世界は好きです。
・ストプレのような、JCSジャポに感じたような意味のある世界。言葉がないのに感じるではなく明確に伝わる感覚。不思議な感動。
・ パプリカ。特にソースかかったハンバーグの上にある黄と赤のパプリカ 。パプリカ自体の形。(これNoismのイメージ)
アフタートーク
金森穣×篠山紀信
舞台を思い出させるのは写真的なこと言ってた。
篠山さんのために写真を撮るために一度通してくれる。
それで舞台を自由に歩いて撮っている。
金森さんがどうするかくらい読めるらしくダンサーにぶつかったことがないとか!
でもこの間後ろを走っていったのにはびっくりしたと(笑)
本番中に撮らせてくれないと話に出したら
金森さんはうるさいので嫌です。証明の音など本当は全くなくしてしまいたい?的なこと言ってた。
金森さんの舞台は早くて暗い。
だから中国の不思議な役人だったらストーリーの方にピントを合わせたら
黒衣が真っ暗になってしまう。
人間の目は凄い。
椅子というのは人が座るためのものだけど座らなくても椅子としている。
ならば人がいなければ椅子にならない椅子は(このあとなんと疑問に持って行っていたか忘れました)?
東京(関東圏というくらいの広い意味で)は緊張した空気がある。
評価されている空気?
篠山さんの写真展で有名人などが飾られている最後に被災地の方々の写真があり、それが金森さんに響いたらしく
なぜ最後に被災地の方々の写真を持ってきたのか、聞かれてた。
(この質問している金森さんはテンション高めに見えましたw)
篠山さんは自分の中で大きな出来事だった震災はやはり撮っておくべきもの(ニュアンス間違っているかもです)だと思った、
でも最初被災地に行った時は何をとっていいか分からずただシャッターを押した(この写真はちゃんと撮れていないらしいです)、
篠山さんがなんと思われたのか忘れてしまったけど震災を経験し家が流された場所に来た人々にカメラの前に立ってもらいその顔を撮った、
その人生(だったかなぁ・・・)を撮ったもの。
(かなり記憶の飛んでいるところあって申し訳ないです;;)
篠山さんは写真を信じられている方だなと思いました。
かなりはっきり話される方だけれどそれが嫌ではなくつい笑ってしまうような面白い方でした。
そして見ています。
よく見ている、だからこそ金森さんを引き出したお話になっていたのかなと思います。
金森さんは落ち着きすぎるほどに落ち着いている。
けれども話の中で芯は熱いのかな~とか思いました。
その感じがもしかしたら振りにも出てたり?とか。
あと独特な日本語。
なぜああいう言葉のチョイス?
結構考えさせられる日本語な気がする。
手が大きいんですけどまぁ手がよく動きます(笑)
口より動いてるような気さえします。
めっちゃ気になってた、ずっと。
金森さんは振り付けた時は自分で踊ってしまうと客観的に見ることができないので
離れて見るという立場となるようです。踊らない。
あの人踊ったら凄いんだろうなと思ってるくらいがちょうどいいんですよ、的なこと言われてた。
普通に見てみたいです。