珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

ASU 〜不可視への献身-2015/01/25-

2015/01/25(日)ソワレ

KAAT 神奈川芸術劇場

座席 2列

※KAAT神奈川芸術劇場 Noism1新作『ASU ~不可視への献身』http://www.kaat.jp/d/asu参考

演出振付:金森穣
衣裳:宮前義之(ISSEY MIYAKE
出演:Noism1
    井関佐和子(副芸術監督)
    中川賢
    亀井彩加
    角田レオナルド仁
    簡麟懿
    石原悠子
    池ヶ谷奏
    吉﨑裕哉
    梶田留以
    岡本壮太
    佐藤琢哉

ネタバレです。

よろしいですか?

※呟きとメモのテンションが違い、残しておきたいと思ったため、同じことを何度か言っています。

2列って結構前だな~こんな前初めてだわ~と思ってヘラヘラしつつ席行ってみたら

最前列でちょっと待って…!となりました(笑)

最前とかそんなの知らないんですけども!ど緊張だわww

最前だと分かった時の頭の中の音はまさに1部の白衣装を脱ぐきっかけのジジッ…ジジジッ…ですw

ほんとびっくりした!

席座って過ごしてる時思ったのだけど、

自覚は無かったけれど他人から見たらNoismファンとも言えるんでないの?なんて。

Noismは好きだなと思ってチケット取るし観に行くけど

執着みたいなものはないので不思議ですね^^

あと新作のチケット取る時というのは、

どうしても失敗したら…と考えてしまって用心深くなってしまうものです。

でもNoismの場合、

考え始める出発点がいつ行けるかな~と行けるか行けないかだから

私もしかして信頼するほど好きなのかもしれないなんて思いました(笑)

第1部 Training Piece

タイトルの意味するとおり、Noismで行っている毎朝の訓練、「ノイズム・メソッド」及び「ノイズム・バレエ」という2つの訓練法を構成演出することで1つの作品を創作する。
それは西洋文化として誕生/発展したクラシックバレエの技法を、東洋の文化として解体/発展させる試みである。

音楽:Steve Reich〈Drumming〉& Ryoji Ikeda〈supercodex08〉〈 supercodex09〉

Drumming

supercodex08

supercodex09

「Drumming」と指を滑らかにウネウネウネとさせる動き見てバリ舞踏思い出しました。

一番最初に見た時のピンと張り詰めた暗闇が印象深いのか、私が慣れたのか分からないですけど

「Training Piece」はNoism的日常感なのかなぁと見ていて思いました。

私からすればNoismの稽古自体が非日常な訳ですけど

今まで公演を観ていてどうしたらこんなことが出来るのだろう?と思うことが何度もありました。

このテクニックがなどという難しいことは全く持って分かりませんが

たゆまぬ努力ゆえこの瞬間があるのだなと感じるのです。

そのたゆまぬ努力を見ている感じです。

ストイックだな~と思いはせど見ててもあんまり緊張しなくてただただ"見る"ことが出来ました。

緊張しないというのはゆるりとした気分で見られるという意味でなくて

舞台を観に来たという特別感はありつつもピンと気を張ってしまうわけではないという意味です。

頭は結構フリーなので考えないからとっても気楽かなと思います。

それで「supercodex08」のジジッ…ジジジッ…から

見られることを意識して踊られているように見えて心がキュンとするのです(´,,•ω•,,`)

白衣装脱いだ井関さんが踊りだすと華があってぬるっとあああ(*´∩ω∩*)となります。

今回来て良かったと思える瞬間でした!

簡さんが今回近くて見てたんですけどえええこんな感じでしたっけ?

めっちゃ素敵だぁと驚きました!

去年1月の時とイメージ違う気がします。

長い手足と身長生かされて、しなやかに舞われてて大変魅力的です!

吉崎さんは遠かったですが意識して見てみました!

今まで気がつきませんでしたけれどあんなに熱い方なんですね!

今更ながらカルメンの闘牛士ピッタリな配役だったのかなと思いました^^*

一瞬だけど簡さんと吉崎さんが踊り合うとこあって、

solo for 2みたいでちょっとテンション上がった(笑)

solo for 2では3組目が一番好きだったのも影響ある感想かもです。

白い衣装に身を包んで、上手下手から机の上のライトみたいなやつ複数置いて照らしてる。

その前には1列に並んだ白い四角い箱(衣装入れでした)

林檎包む白いあれ、子供用浴衣の帯、ちりめんのような素材の白い服上下(Drumming時)

脱ぐと水着みたいな、陸上のユニフォームみたいな鮮やかな衣裳(supercodex時)

「supercodex」の曲かかってる時は後ろにあった薄灰色の幕が上がり、背景が鏡になる。

白い衣装の時はNoismの今までの公演で見たな~と思える動きがある。

肩を床の上でスライドさせる、もしくは回転させる動きがスムーズに行われている不思議。

そもそも何でも不思議っちゃ不思議なんですけども(笑)

何を思うでもなく自由でただ見るってことをさせてくれるんですよね~

な~んにも考えないの!ほ~んとただただ見るだけ。なんでそんなこと出来るんでしょうね?

途中ジジジッと砂嵐かなと思える音がすると井関さんが衣装脱ぎに行く。

バラバラと衣装脱いでいき、井関さんセンターで見られている意識のある踊りをする。

微笑みにキュンとしてああ~嬉しいというか、喜ぶというか高揚するんですよね。

でもそれがじんわ~っとにじむ感じで

ああ好きっなんかもうほんと(*´∩ω∩*)じゃないのがああNoismみたいな!

Noismは“Noism全体”としてが素敵だなぁと思います。

その上で今回亀井さんと簡さんと角田さん近くてじっと見てしまった(笑)

亀井さんめちゃくちゃ可愛らしいのに踊りは性別というよりNoismなのね!

簡さんはとにかく腕足が長いのです!

そしてしなやかなダンスされるからより長い手足が生かされて美しいのです!

去年1月の時見たのと作品も違いますし、

注目度や見え方も違うのですけど今日の簡さんとても輝いていた気がします。

角田さんはNoismを感じる動きをされますよね!

回り方とか柔らかさを生かされててああ~今まで見てきたNoismの感じ!と

私の視界の中では一番感じた方です。

そして意識的に見た吉崎さんは熱い!

以前こんなにはっきり個性見えたでしょうか?

それとも見える演目だったのでしょうか?

Noismとしての一体感はありながらも、がんがん熱い仕草されますよね!

見た目そんなに熱い男という印象ないのに男性らしいというより熱いのです。

そのぐっと迫る熱さを感じさせる要素がやはり好きです!

闘牛士はピッタリの配役だったのだなと今更ながら思いました。

あとお名前わからないのですが髪を剃ってらっしゃる女性、おしゃれパーマな男性が気になりました!

1部私はどこで息をしていたんだろう?

Contact 2000 Tony Awards「Simply Irresistible」

昨日のNoismの「ASU」の1部「Training Piece」はコンタクトが好きだと言われてた方々の感想が聞いてみたいと思いました^^*

服を脱いで明らかに変わる部分の高揚と音楽が「Simply Irresistible」にも通ずる気がして気になりました。

そもそもコンタクトが好きっていうのはどこが好きなんだろうというのは気になるところです。

ストーリーなのか、踊っている事自体なのかなどなど。

踊りの方ならばNoismを観てみて欲しいな~と思います。

第2部 ASU

「ASU」それはアジアの語源である。古代メソポタミアの人々は日の出、そしてその方角のことをasuと呼び、日の入り、その方角のことをerebと呼んでいた。
アジアの中心から聴こえてくる喉歌に身体を澄ます時、その地響きの様な歌声は、舞踊芸術による“不可視への献身”へと私を掻き立て、未知なる宗教、そして未知なる民族への妄想を抱かせるのである。

音楽:Bolot Bairyshev〈Kai Of Altai / Alas〉

Kai Of Altai

アルタイ共和国wiki

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%A4%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD

まずアルタイ共和国とはどこなのだ?と思いました。

アフリカをイメージしていましたがまさかのロシア連邦内にあるとのこと!

全然イメージと違った!!

緑と白い山々が美しいところですね~

「ASU」は原始というか根本的なものを追い求めてる感じ。

私にもやはりこういう血が流れているんでしょうね?

無意識に反応している気がします。

ライオンキングの「サークル・オブ・ライフ」(http://youtu.be/Lc8psYaa9k0?t=2s)を聞いた時に感じるものと似てる気がします。

こういうコンセプトなカフェやファッションというのはあるけどそういうの好きでも嫌いでもないになぁ。

それなのに結構すんなり世界観受け入れてしまうものですよね。

喉歌(カイ)は呪怨の「ァ゛ーーーー」の掠れた声みたいのでずっと歌うよう。

真っ暗の中、下手舞台にある穴から一人づつ頭に火のついたお皿乗せて上がってくる、ヌビア感。

黒い、紙をくしゃっと丸めて広げたみたいな平べったいものが何枚も吊らされている。

それが石のように見えます。

世田谷パブリックシアターの壁面の横幅ちょっと広くしたバージョンみたいな。

舞台奥には編みかけの細い細いかごのようなもの。

素材は何だろう?木かな?

印象は竹っぽくもあります。

サイズはめちゃくちゃ大きいです。

黒い透けるメッシュ素材の衣装に黒い布が垂らされているようなものを身に纏い、

黒髪おかっぱのかつらを皆さんつけてらっしゃいました。

ピナバウシュさんかベジャールさんの映像作品で、

土の上で踊ってるのと水が張られた中で踊っているの見た。

それを見た時からこういう自然要素含まれた作品見てみたいなと思っていたのですが、

まさか火の中踊る・踊り合うのが見られるとは思いませんでした!

危ないので出来ないものだとそもそも考えの中に無かったです。

土か砂かも降ってくるし根源的な要素に溢れてる。

後から上から降ってくる土砂はライトによって白く光っていたので

水・雨のように見えたなとも思いました。

チーターのような狩る動物。

ミーアキャットのような集団行動をする動物。

生と死、と食。

死んだ生物の上に降り注ぐ砂、もしくは雨。

幽体離脱、もしくは2人で1つの存在。

2部のはじめの弦楽器かな?

あれ最初日本の楽器だと思って昨日の歌舞伎っぽいや~なんて思ってたけれど

アルタイ共和国とかのなの?

→トプショールという二弦撥弦楽器でした。

確かに状況的に私が疲れていなかったかと言えば疲れている方だったと思います。

けど関係なくリラックスしすぎる瞬間あった気がした。

だから砂落ちてくるとこでハッとさせられたなと思って。

目の前にやはり簡さんがいらっしゃって

身体をペチペチ叩かれてましたが控え目で優雅さを持っていて気になりました。

そういえば「ASU」は特に見終わってもそのまま続いているから終わった感覚なくて

ありがとうの気持ちで拍手はしたいけど意識的にはずっとASUのまま。

だから“わぁ素敵でしたほんともう…”という笑顔にならないんですよね。

大概出演者さんの笑顔見たりすると感情が戻るものだけど、

戻らずずっと続いていっている心地であまりにも当たり前の非日常だったのかなとか思う。

「ASU」もう一回見たかった!

パンフレット

尊敬とは別に20世紀の表現は21世紀の表現にはならないということかな?

20世紀の表現は自己解体・脱構築

なんとなくベルリンの壁思い出す言葉です。

21世紀は金森さん曰く再構築・再創造。

私は全然ダンスについて知らないし、

今読んできたものでも分かっていることは言葉のうちの本当に少しなのだと思う。

だからこそ丁寧にクラシックバレエは~日本の舞踊は~と聞くとどこのことだろう?と

考えることが出来て楽しいなと思います!

服については全く知らないので読んでフムフムです!

よくよく考えてみればNoismほどパンフレットしっかり読むこと他の公演ではないですねw

理性的と金森さんが言われてる「Training Piece」は私は数学的といつも感じるところです^^

突き詰めていて崩れないでどこか無機質な感じ、あと私からは程遠い考えだなと思う。

思うけど嫌じゃないのは金森さんの優しさなんじゃない?とか勝手に思っているわけですがw

でも形が決まっているとダンサーの皆さんが言われているほどきっちりかっちりな印象は私は受けませんでした。

自分が理解することとそれを他人に伝えるのって全然違うし、

伝えるのは正解がないから難しいと思うけれど、

金森さんはご自身の言葉から的確な言葉選びをして伝えようとされてるのが分かる気がします。

伝えようというのがあっても伝わるかといえばそうじゃなかったりもしますが、

あっちはよく分からなくても、こっちなら分かるがあるから

言い換えもしてくださってるのかもですね。

Noismに限らず思うことですが、一緒にお話してくれる人に出会いたいんです^^

だから呟くし、ブログに感想残しておこうと思えます。

もし見てくれた人が公演を見ていたら声をかけてくれるかもしれない。

もし文章を読んで気になった人がいたら観に行ってくれて話せるかもしれない。

一番最初に見た頃は好みがあるだろうから好きそうな人に勧めてみようかな~と思っていたけれど、

今は不特定多数の人にも勧められるなぁと思うし、初めての人でも一緒に行ける気がします。

私、お取り寄せとか、お土産はあんまり信用していなくて。

それは自分自身が旅行行って美味しい!と思って買ってきたものが、

家で同じように美味しいと思えるかと言ったらそれは100%ないからです。

例え美味しいかったとしてもその時その土地で食べた味と同じわけがない。

そういう意味で体験というのは少し分かるとこもあると思う。

あと同じようなお話を星野道夫さんの本で読みました!

あ、それにパンフの対談の写真撮影場所が

りゅーとぴあそばの新潟県政記念館だと分かるのは行ったからですよね!

最近私ってマニアックだなと実感する機会がありまして。

私は舞台が好きだけれど同じような人にはなかなか日常で出会わないわけです。

そんな状況で舞台好きな私が舞台の話をする時、

もし1対1多くても3人くらいまでなら

その人たちの興味の程度などによって受け入れてくれそうな範囲のお話するのです。

でも主張となると受け入れてもらえないかもしれないわけです。

好きなものを受け入れてもらえなかったら相当なショックです。

怖くてしばらく後引いて臆病になっていたんですが、

今日のASUを見てやっぱり好きなものは好きだと素直に確実に思えました。

朗読劇とNoismの公演(なのかコンテンポラリーなのか?)は似ているなぁと思いました。

どちらも想像の自由さがありますよね。

舞台好きだなぁ!

そこで実際に起きているということ。

嘘ではない嘘の世界だということ。

矛盾ごと好きです!

バレエミストレスというお仕事が分からずにいたけど、真下さんのFB記事凄く好きです^^