珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

七月大歌舞伎 昼の部-2017/07/12-

2017/07/12
歌舞伎座

三階下手寄り

 

 

一、歌舞伎十八番の内 矢の根

 

曽我五郎  右團次

大薩摩文太夫  九團次

馬士畑右衛門 弘太郎

曽我十郎 笑也

 

 

 

河竹黙阿弥

盲長屋梅加賀鳶

二、加賀鳶

本郷木戸前勢揃いより

赤門捕物まで

二代目 市川齋入襲名披露

 

神町梅吉/竹垣道玄 海老蔵

日蔭町松蔵 中車

春木町巳之助 右團次

魁勇次 男女蔵

虎屋竹五郎 亀鶴

昼ッ子尾之吉 巳之助

磐石石松 廣松

お朝 児太郎

数珠玉房吉 男寅

御守殿門次 九團次

道玄女房おせつ 笑三郎

金助町兼五郎 市蔵

妻恋音吉 権十郎

天狗杉松 秀調

伊勢屋与兵衛 家橘

御神輿弥太郎 團蔵

女按摩お兼 右之助改め齊入

雷五郎次 左團次

 

 

 

河竹黙阿弥

三、連獅子

 

狂言師右近後に親獅子の精 海老蔵

狂言師左近後に仔獅子の精 巳之助

僧蓮念 男女蔵

僧遍念 市蔵

 

 (以下七月大歌舞伎 | 歌舞伎座 | 歌舞伎美人(かぶきびと)より)

 

https://www.instagram.com/p/BWcjxBdA8w2/

#七月大歌舞伎

昼の部は宙乗りないんですけど初めて宙乗り用の…何?ワイヤー?紐?見たので

写真に収めておきました^^*

三階下手側後方に黒い小屋っぽいのが作られていました。

あそこに上っていくんですね!

あれはめっちゃ興奮しそう!!

 

この日のチケ、実は前日に取りまして。

席を選ぶというよりそこしか残ってなかったんでそこに座ったんですが

花道ぎりぎり七三位置見える奇跡!!嬉しい!!

 

また歌舞伎をお好きな方と初めて幕間にお話することが出来て

とても嬉しかったです!!ありがとうございました!

 

 

 

 

 

度々ライオンキングに触れているんですが、

最近東京・夏でのライオンキング演出変更あったようです。

私はまだ新演出のライオンキング見ていないので

以下文章に書いてあるライオンキングは札幌・旧演出でのことです。

 

 

 

 

 

一、歌舞伎十八番の内 矢の根

荒事ならではの豪快で華やかな祝祭劇

 初春を迎え、紅梅白梅が咲き誇るある日。曽我五郎が父の仇工藤祐経を討つために矢の根を研いでいると、大薩摩文太夫が年始の挨拶に訪れます。五郎は縁起の良い初夢を見ようと、文太夫が持参した宝船の絵を枕の下に敷きうたた寝を始めます。しかし、その夢に現れたのは五郎の兄十郎。十郎は、工藤の館で捕らわれの身となったことを告げます。飛び起きた五郎は、兄の窮地を救うべく工藤の館へと急ぐのでした。
 江戸狂言の洒落っ気と豪快さに満ちた荒事の一幕にご期待ください。

 

桜が上から釣り下がってるのは何度か目にしてましたが

梅バージョンのは初めて見ました!!紅白混合!

上手に白梅、下手に紅梅が植わっています。

個人的には桜より梅のが控えめ可愛くて好きなので可愛いなぁ~と思いました!

 

(団体さんがいらっしゃったようだし)
イヤホンガイド率が高いからか

イヤホンガイドのウケ時に笑い声が素直に起こってとっても楽しい!

曽我五郎が目の前で生たすき締め直し時、三味線速弾き前くらいに

イヤホンガイドでなんか面白いこと言うんですよね。

で、その時に会場がぐわっと沸いたんでイヤホンガイド率高い~と思ったわけです。

これ役者さんはイヤホンガイドの笑いってご存知なのかなぁ?

知らなかったら何で笑ってるんで?って思うんじゃないかなぁ~とぼんやり思ったりして。

それともなんとなく分かるんですかね?

 

「ヤットコトッチャウントコナ」の寝る前のダァンと荒々しく床座るやつ、格好いい!

痛くないんかなぁ?あれ。

それくらい勢いよくダァアンと音がするんですけど深い音で気持ちいいんですよね。

荒々しくて勇ましくって格好いい。

 

その後の夢見Timeに曽我五郎が寝てるの、

支えてもらっててライオンキングの草みたいね。

 

宝船の絵をプレゼントされて

しげしげと眺めてるんですけど客席側に広げてウーンと見て

反転して観客に見せてあげようか?とばかりに広げて上あげてウーンと見てるの

宝船の絵だ!縁起良い~!どうだ羨ましいだろう!と見せてるようで可愛い(笑)

 

イヤホンガイドでしっかり兄のもとへ向かうのに馬が欲しいと説明されてお膳立てした後の

「うまぁーーーかせぇええーー(馬貸せ)」という叫び、

それまでそれなりに耳慣れない日本語だったのに

いきなり分かる日本語で「うまぁーーーかせぇええーー(馬貸せ)」とか笑う(笑)

タイミング的にめちゃくちゃ面白いww

 

基本的に滅茶苦茶なんだけどなんか可愛いウケる(笑)

開演前にチラシのあらすじ読んでて

馬を無理やり貸してもらう下り、めっちゃ可哀想じゃん?と同情してたんだけど

実際見てみると馬無理やり奪って大根ゴロンと落ちて

大根で馬叩いてんの見るとその可笑しい姿に

文字で見るより頑張れ〜と思える不思議(笑)

でもなんでも普通に考えて馬士畑右衛門が正しい、

大根運ぶって言ってるだろって感じですよね。

こんな馬及び大根一本泥棒しても曽我五郎は人気者だからOKだったの?

当時の人はどういう反応だったんだろう?

大根で馬叩いていくとかいくら曽我五郎でもウケる(笑)って感じなのかな?

 

そういえば馬が出てくると途端に馬かわいい…ってぽやーーとした空気になる気がする。

 

大薩摩文太夫は一言も発さないで台詞は大薩摩がするって

もう見た目で語らないといけないって凄い役ですね。

 

貧乏とは言うけれど衣装はとっても豪華、この辺が荒事らしいですね、

的なことをイヤホンガイドで言っていたけれど

見た目・ビジュアル重視みたいなとこは差し引きが絶妙で格好良くて好きです!

 

 

 

 

二、加賀鳶

粋な鳶と小悪党が織り成す江戸世話物の名作

 本郷界隈の家々では、加賀藩お抱えの加賀鳶と旗本配下の定火消しの大喧嘩を恐れ、人々が町木戸を閉め切っています。そこへ血気に逸る加賀鳶が勢揃いしますが、それを止めたのは頭分の天神町梅吉。日蔭町の松蔵が皆の説得にあたり、一同はその場から引き揚げます。
 一方、盲長屋に住む竹垣道玄は、女房おせつと姪のお朝にひどい仕打ちをする小悪党。道玄はお茶の水の土手際で百姓太次右衛門を殺害し、懐中の金を奪います。その場に通りかかった松蔵は、道玄の落とした煙草入れを拾います。その後、お朝の奉公先への強請を思いついた道玄は、言いがかりをつけて金を出させようとしますが、そこへ松蔵が現れ…。
 河竹黙阿弥ならではのせりふ回しで展開する、世話物の名作をご堪能いただきます。

 

加賀鳶は去年の十一月にも見ていて

梅吉/道玄が幸四郎さん、松蔵が梅玉さんでした。

(最近筋書の後ろにある過去出演者が書いてある頁を楽しめるようになってきました!)

初見の印象は何においても強いものです。

なので初見との違いを感じながら見た演目になりました。

 

一番感じた違いが最後の赤門前の場面。

御用だ!御用だ!の声が飛び交う中、海老蔵道玄は小走りで走っていきます。

走る、早い、よく動く、移動範囲が大きい!

これは今の海老蔵さんだからこそ、よく動く道玄が出来るんだろうなぁと思いました。

そして初見時コントのようで面白くて印象に残った

東大赤門でのオレオレ詐欺が面白いに尽きる(笑)

一寸先も見えぬ暗闇の中、道玄を捕まえようと「御用だ、御用だ」と言いながら探る人たち。

道玄はうまくかわしていき、間違えて仲間を捕まえてしまい

「おれだ、おれだ」との主張にそうかと手を放し探し始める。

二度目に道玄はついに捕まるが「おれだ、おれだ」と言い、闇で顔が見えないがために逃がされる(笑)

吉例顔見世大歌舞伎-2016/11/04- - 珈琲とmilkのパーセンテージ

 この部分、十一月は「おれだ、おれだ」と言って

“俺は仲間だ。捕まえるのは俺じゃない。”と主張されてたんですけど

七月の加賀鳶は「御用だ!御用だ!」が同意義で使われていました。

見ていれば当然同じ流れで捕まえてる道玄を逃がしてしまう面白さは変わらないんですが

「おれだ、おれだ」の方が言葉が分かりやすいので

元々は「御用だ」のところを変えたのでしょうか?

 

海老蔵道玄が出てきてパッと思ったのは

背が高い、表情(特に目)が三階からでもよく分かるということです。

コミカルな印象が全体的にあります。

 

最初だけしか出てこない梅吉、

この梅吉の堂々たる姿は海老蔵さんの体格がとても生きていて憧れを抱くような姿でした。

キリッとした姿で佇むのや、どかりと座り込み「殺していけ」と言うのや

大きくて、粋だなぁと思います。

 

三階だったから花道はほんの一部しか見えていなかったんだけど

春木町巳之助の右團次さん、昼ッ子尾之吉の巳之助さんは見えまして。

右團次さんさっき矢の根であんながっちり重そうな衣装着てらしたのに

もう着替えられてる~演目・休憩的に当たり前とは言えども

当たり前にこなしていることが凄いですよね~!

春木町巳之助の聞きながらここは染五郎さん、

昼ッ子尾之吉は歌之助さんが一人白塗りだったなと思いだしていました。

歌之助さんはそもそもお若いというのを知っているから何も思わなかったのですが

巳之助さんが昼ッ子尾之吉だと今まで見た他の役からの声の予想より若い声だと分かります。

若い声を聞いて、そういえば白塗りだし年が若いのか~と思いました!

 

松蔵は最初声しか聞こえなくて、

舞台に来るんだけど多分前列の方に被っちゃったのかな?

死角だったのだと思うのですが見えていなかったはずです。

ほんの少しだけ鳶姿見て、あとはお茶の水と伊勢屋でした!

ん~でも…鳶姿めっちゃ格好良い印象があります、一番見てないんだけど。

ん~あと嗚呼猿之助さんの血縁者なのだなぁと思う姿ですよね、お化粧されてるからかな?

話し方や存在が確実に堅実格好良くて見て数秒で信頼してしまう感じでした!

 

道玄家前にいる女性二人のうち一人がよく通る声まんま女性で素敵だったのと、

伊勢屋の三人いる大人三人の真ん中の方もよく通る声で素敵でした。

 

 

 

 

三、連獅子

獅子の親子が魅せる迫力のある舞踊

 天竺の霊地、清涼山の麓の石橋では、狂言師の右近と左近が手獅子を携え、石橋の謂れ(いわれ)や、親獅子が仔獅子を谷底へと蹴落とし、それでも這い上がってきた子だけを育てるという故事を踊って見せます。その後、満開の牡丹の中に親獅子と仔獅子の精が現れ、長い毛を振りながら豪放華麗な狂いを見せ、勇壮に舞い納めるのでした。
 能の「石橋」をもとに、獅子親子の厳しくも温かい情愛を描いた、数ある舞踊のなかでも人気の高い作品をお楽しみいただきます。

 

シネマ歌舞伎美の巨人たちとかでチラと見た連獅子の、

腕を片腕づつ横に伸ばして片腕づつ下に伸ばす直線的な振り、

美しいなぁと思っていたけど生で見たらもっと美しかった…!

 

親獅子が心配だなぁ〜(チラッ)じゃなくて、まだ上ってこないのかぁ?と

仔獅子を鼓舞するように見えたので。

だからかLKおまいきリプ(ライオンキング「お前の中に生きている(リプライズ)」)?と思ったりして。

→ライオンキング「お前の中に生きている(リプライズ)」の水盆を見て

 水に映る父であり王であるムファサに道を示される場面

十一月はそう思わなかったから親獅子がムファサっぽいのかなぁ。

 

分かんないんだけど~

ビジュアル重視めの連獅子って印象が終始ありました、というのも

十一月に見た祝勢揃壽連獅子も連獅子でストーリー自体変わんないと思うんです、

この祝勢揃壽連獅子が親と仔の関係性・思いに重きが置かれていた印象があるからです。

案外落とした後すぐ上ってくるんですよね仔獅子強い!

自分が落としてるのに、上ってこないなぁ大丈夫かなぁって

そろりと崖下を覗きに行く親獅子がたまらなく可愛いですよね(笑)

仔獅子達のセルフ鼓舞のされ方に純粋を見ます。

吉例顔見世大歌舞伎-2016/11/04- - 珈琲とmilkのパーセンテージ

この仔獅子を心配する親獅子の姿が色濃く残っていたのです。

海老蔵親獅子は同じシーン、下を覗くという動作で表情はない。

それで仔獅子が鼓舞されてから親獅子はふふふと笑みを浮かべるわけです。

それがムファサが父ではなく王としての姿を息子に見せるように

親獅子は自分の姿を見せて仔獅子を励ます・憧れを与えるように見えました。

同じ演目でもこんなに印象が違うのだなと思いました。

今月の連獅子はもう話を理解している人向けという気もしますね。

また、踊り注目する人、視覚記憶派は好きな気がします。

 

何が理由なのか分からないのですが

巳之助さんの仔獅子はとても若く見えて驚きました!

気振りまでに物語通り成長されていて動きからそれが分かるの面白かったです!

いやいや仔獅子がめっちゃ若く見えて人間年齢10代に見えるんですよね。

メイクや仕草、踊り、沢山要素はあると思うけど若かったなぁ。

だからこそ毛振り時は大きく成長して見えて格好いいのね。

 

巳之助仔獅子も初めて見たわけだから

比較とか印象とかも初見ではあるんだけど

海老蔵親獅子と同じく振りに温度がなくて

ドラマでなく形に重きを置く仔獅子に見えました。

 

十一月も同じだったか分からないんだけど

真ん中にある狂言由来っぽいところ、あれ十一月はまだ言葉慣れないし分からなくて

結構頭にクエスチョンマーク飛ばしていました。

でも棒しばりに執着してた一月があるので

「わごりょ」「なかなか」とか分かる分かる~!!ってなるんですよね。

この分からなかったものが分かるのって楽しいです!!

ムスカが「分かる…!分かるぞ!」って言ってた気持ちも少し分かったかもしれない!

実はイヤホンガイド接続が悪かったみたいで途中まで聞こえてなくて

この場面の真ん中くらいまでイヤホン耳に付けてるのに無音だったんです。

途中までガイドされてなかったのに楽しいの^^すごい!

 

僧蓮念と僧遍念はそれぞれ宗派が違うんですね!

それでお互い譲らないんだけど

念仏唱えたら次第に混ざっちゃって自分じゃない宗派の唱え始める。

結局獅子怖ぁ~いって逃げかえるっていう。

男女蔵僧蓮念はにこにこ人当たりよさそうで陽気な印象。

市蔵僧遍念は好々爺だけど自論は譲らなさそうな頑固さも持ち合わせてる印象。

いかにも相容れなさそうなんだけど人柄的にはどちらも優しそうで

良い友達になりそうなのにツンケンして見せるとこが可愛いです。

袴かな?円の中に模様ある可愛い柄が使われてる部分があって

あれは狂言だとあの模様みたいのがあるんでしょうか??

今回やっとここの部分に気づけて私、凄く嬉しい!!