珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

VOICARION Ⅶ『女王がいた客室』Room228 DMM配信

VOICARION Ⅶ『女王がいた客室』Room228配信見ました! 

 

最初にこぼしてしまうけど

やはり舞台は劇場で見てこそだと私は思う。

これが劇場であったならと思わずにはいられない。

日常と共にあるとただただのめり込むのも

止めようとしてしまうから。

 

なんだかんだ泣くのを我慢するわけです。

劇場でしないかといったらするんですけど

劇場で公演が行われているのに

舞台でなく客席見てる人いないと思いますが

家だとそうはいかないよね。

イヤホンして熱唱してる人を見るときのような感覚を自分が思い出してしまって気にかかってしまう。

 

 

思い出が、夢がこんなにも

哀しく、

誇らしく、

傷つき、

幸せに感じられることはないのではなないだろうか。

作品を見終わってただあてもなく儚い思いを抱えて沈んでいたい。

そういう抱えきれない思いを観劇後に抱えるってよくあるからカフェ寄りがち。

この作品は紅茶一杯で2、3時間沈んでられると言いたいとこだけど

実際は展覧会や映画、料理からロマノフとは?ということを考える初演からの日々でした。

女王がいた客室好きです〜!

 

 

屋上の場面、ノートルダムの鐘を思い出して

(言葉としてもノートルダム出てきてシンボルなんだなと思った)

(実写美女と野獣もディズニーという側面もあるかもですが変わらぬパリの象徴として過去描写に出てきましたよね)

初演時、全然違くない?と思ったんです。

違うんだよねパリなんだもの。切ない。

 

クリスマスノストラのダンスが

幸福な時間とはこういうものか…と体感するような温かなものだったのに対し、

女王がいた客室のダンスが

こんなにも悲しいことがあるのかと

何もかも投げ出したい苦しみを伴う

貴族であるという自覚があったから

その温度差にも涙しました。

 

朗読だから声は必要なんだと思うんです。

でも身体や見た目はなくても想像で見えてしまう。

だから朗読されてる方が動くというのは

とても難しいことなのでは?と思ってます。

頭に浮かぶ光景と朗読されてる方の動きがリンクしなければ

違和感を強く感じてしまうから。

今まで見た朗読劇でもそうだったんですが

かっぺいさんの朗読してる時の動きや表情は想像している光景と

ぴたりと合っていると感じます!

私はここがいつも引き込まれるし、

めちゃくちゃ好きだなと思うところです!

声優さんは色々な経緯で声優さんになってらっしゃるし、

朗読の読み方もそれぞれだし、

本当に様々なところが最高に楽しい!

 

人に好かれるというのが分かる、

頼んだら応えてくれそうだからつい甘えてしまうのが分かる

優しく面倒みの良い苦労性なかっぺいさんアレックス。

確実に今を今日を生きていたからこそ

台詞がじんわりと沁みてきました。

忘れようとしていた、それが成功しかけていた今になって

元は本物の貴族だったとしても覚める夢と分かっていて

痛みを無視しながら浸れるほど甘い夢ではない。

アレックスは没落貴族を救いたいという思いが強いから

余計に今を生きる選択をしたい思いが強いんだろうなぁ。

思い出してしまう辛さをかっぺいアレックスは強く感じました!

今を生きる力でもって最後はその前向きの力で

女王陛下をもその温かさで送り出す優しさがかっぺいさんアレックスだと感じました!

平田さんアレックスはもう少し切なさに浸るようだった気がします。

 

 

マダムと共にいる時は自身の貴族であるという自覚に

正直であったんだろうと感じさせるマイカだなと思いました。

言葉づかいなど些細なこと…と思わせてしまうところがあります。

高貴だからこそそうでない部分から過去の苦労が覗くのかもしれません。

イギリスで這いつくばって生きながらえた過去を持ちながらも

言われなければ過去の辛さを感じられないほどの

気高さと高貴さは生まれを示しているように思われます。

私はマイカがエレオノーラとダンスをした時に

エレオノーラがマイカを今まであったことがない人だと感じて

「誰?」と問いかける切なさで泣いてしまいます。

エレオノーラには違和感を覚える別人がマイカの本質・自覚する自分自身であり

この仮の空間でさえマイカは存在出来ず自ら自分自身を解くの

現実ではこの姿でもいられなくてもここならば…と夢見た儚い夢は所詮夢でしかなかった。

なんて悲しいんだろう…。

今後も隠し、自分を偽り続ける人生しかないことを知る。

私が想像するより何倍も疑問と絶望が渦巻くだろうに

時間が慰めてくれたのか女王を見送り、笑顔でいるんですよね。

どんな気持ちでマイカは見送っているのだろう?と思うと

考えるより早く心が締めつけられる思い。

 

 

アナ雪「生まれてはじめて」チョコ食べている歌い方が好きすぎて

神田さんが一度朗読している姿を見てみたかったのです!

正直かなり嬉しいです(笑)

Room228、

チケ何度挑戦しても取れなかったから

私は映像配信でなければご縁がなかったんだろうなぁと複雑ながら思う。

次の機会はぜひ劇場でと願って!

 

 

初演の台詞を発する時は台本ではなく遠くを見て

毅然とした態度の陛下の姿が焼きついています。

再演もそこにいる重要性を体現されていて、

あれだけハードルが高くなった台詞をさらりと生まれを見せるだけの陛下、

事実でしかないんだと理解る。

 

 

一度しか見ていないのにこんなにも覚えているものか…

というくらい思い出せる朗読劇でした。

繰り返し考え続けてきたおかげで配信はマイカの目線に近かったように思います。

 

上流階級の生活があってこそ成り立つ技術というのはあるんだなと多々思います。

だから消えてしまうこともあるのでしょう。

守った方がいいとまでは言えないけれど

かけがいのない文化だとは思います。

 

欲張りだからかっぺいさんのマイカも見たかったなぁ〜〜!

このお話はアレックス役の方をきっかけに見たくなるけど

好きな役はマイカになります_(:3」∠)_