珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

ミュージカルジャージーボーイズ-2022/10/21-GREEN

2022/10/21(金)マチネ

日生劇場

 

脚本:マーシャル・ブリックマン&リック・エリス

音楽:ボブ・ゴーディオ

詞:ボブ・クルー

演出: 藤田俊太郎

 

キャスト

フランキー・ヴァリ花村想太

トミー・デヴィート: 尾上右近

ボブ・ゴーディオ: 有澤樟太郎

ニック・マッシ: spi

ボブ・クルー: 加藤潤一

ジップ・デカルロ: 山路和弘

ノーム・ワックスマン: 戸井勝海

メアリー 他:綿引さやか

ロレイン 他:小此木麻里

リード・エンジェル 他: 遠藤瑠美子

フランシーヌ 他:ダンドイ舞莉花

ハンク・マジュースキー 他:大音智海

ストッシュ 他:山野靖博

ジョーイ 他: 若松渓太

ドニー 他:杉浦奎介

フランス人ラッパー 他:岡施孜

スイング:宮島朋宏

 

あらすじ

はじまりはニュージャージー州の貧しい片田舎。

“天使の歌声”を持つフランキーは、成功を夢見る兄貴分のトミーとニックのバンドグループに迎え入れられる。早速3人での音楽活動をスタートさせるが、フランキーの歌声をもってしてもグループには未だ何かが欠けていた。

鳴かず飛ばずの日々が続く中、作曲の才能溢れるボブが加入する。フランキーの歌声に魅了されたボブは、その声のために曲を書きたいと思うのだった。しかし金もコネもない彼らを待っていたのは過酷な下積み生活。そんな中でも彼らは自分たちの音楽を磨き、それぞれの才能を開花させていく。そしてついにボブの楽曲と4人のハーモニーが大物プロデューサーの目に留まった。彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」としてレコード会社と契約し、《Sherry》をはじめとする全米ナンバー1の楽曲を次々と生み出していく。ヒット曲につぐヒット曲、長期にわたるツアーで、家族を顧みずに酒と遊びを繰り返す日々が続く。富も名声も手にしたはずの4人だったが、輝かしい活躍の裏では、莫大な借金やグループ内の確執、家族の不仲など、様々な問題が勃発し、彼らの固い絆を蝕んでいった。それらはやがて取り返しのつかない大きな軋轢となり、グループを引き裂くのだった。

成功と挫折。あまりに劇的な春夏秋冬を駆け抜けていく4人がその先で見たものとは―。


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日生劇場 ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』

ジャージーボーイズ観てきました👏

トークショー

司会: 加藤潤一さん

登壇者:有澤樟太郎さん、 spiさん

 

有澤さんずっとspiさんのお話してくださってご自身のお話しなくても大丈夫なのかな?と思ってしまうくらいありがとうございます🙏尊敬されている具合やしみじみした口調から素直さと真摯さが伝わって素敵なお人柄だなと思いました😂きっと対峙するお一人お一人をしっかり見て向き合ってる方なのだろうなと伝わります。 好きな場面ならご自身の場面上げていいところなのにトミーの登場と答えてらしてとても謙虚だなと思う。それと司会と一緒に出てきてしまう有澤さんは本当に大物だと思う(笑)狙わない笑いが一番強い。

今回のトークショーのようなspiさんを見るとお名前をしっかり把握して拝見したブロードウェイミュージカルコンサート2020のトークを思い出します。大演練配信と比べてとても大人しい方なのだな~と思ったよね💪有澤さんについて時間遡行軍いっぱい斬ってますからと入れ込んでくるの、わりと切り込んでるなと感じたのだけどあれで笑いが起きることによってこの会場には刀剣乱舞を通ってる方が多いんだなと観客側も分かる。これ落語家さんみたいだなっていつも思う。と見てすぐは思ったんですが花村さんへの酸いも甘いも知っているはCITRUSからきているようだと検索して知りました。探る意味よりその場にいるすべての人をなるべく尊重した形なのかなと後から思いました。司会されてた加藤さんとspiさんが初めて共演したのはRENT。spiさんはベニー、「加藤さんはミミでしたっけ?」が既に面白いのに何でもないことのようにさらりとキャンドル入れ込んでくるのヤバいwwとてもツラかったwパッと浮かんでしまったから。

誰と聴くか、誰と見るか

アフタートークで最後の一言で話されていたspiさんの今回のジャージー・ボーイズのテーマ「何を聴くか、何を見るか、じゃなく、誰と聴くか、誰と見るか( 

【オフィシャルレポート】ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』開幕!BLACK&GREENの2チームのコメント&舞台写真が到着! – 2.5newsより)」
初見回、身近にいる70代になっても続く友情を思い出していたから前回友達と観劇できてあんなに嬉しかったんだなと改めて思いました😂

GREENチームの仲の良さ、片鱗を垣間見たアフタートークでした💚楽しかったです!!

…ところで好きなシーンずっと考えてるけれど定まらない。

 

演出家と翻訳家が語る ミュージカル「ジャージー・ボーイズ

【講義のみ/オンライン受講】ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」 | 横浜教室 | 朝日カルチャーセンター (asahiculture.jp)

「演出家と翻訳家が語る ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」」受講しました🙌 翻訳に関するポイント(笑いどころについてなど)、気になってるとこや私は未見の初演、再演を観てらっしゃる方々からの質問から見える再再演の変化沢山聞けて面白かったです~~!

少しは気になってること分かるかな…と思っていたけどいやほんとエリオットのお話あんな聞けると思わなかった😂嬉しい 正直ここでしか聞くこともないだろうしお名前だけでもワンチャン…と思ってたのに客観的相関物わりと踏み込んでくださって(説明を聞きたかったからどういうものか改めて聞けて嬉しかったです)受講してよかった~~🙌ありがとうございます!!

エリオットの名前出てきて自分の知らない単語出てきたらそりゃ調べると思うんだけどきっとこれは調べなくていいだろうってのは最初から思ってる(笑)女の子の「君って誰なの?」に対して「T.S.エリオットの客観的相関物ってやつ。」とボブ・ゴーディオは返す人というので充分なんだろうと思っても知りたいものは知りたい。そして君が客観的相関物って何?やはりよく分からない。自分がこれから書くからボブのこと言えないんだけど例え知って理解していたとしても人に口で説明するのにエリオットってまず使わなくない?パッと分かりにくい伝わらないってすぐ分かるから。ここでのエリオットは詩を読んでる点について親近感湧きますがエリオットで説明しようとするところはどう考えても説明に適さないと思うけど?ってパッと聞いて感じますよね。

今回ジャージーボーイズの脚本家の方はシェイクスピアが好きなのかな?となんとなく思ってました。イギリス的な言い回しが多いと聞くとそういうとこから感じたのかも🤔?なんて思うけど明確には分からないや。フランキーが引用するシェイクスピア、適当にマクベスかな?とか思ってたんだけどマルヴォーリオへの手紙だったなんてマルヴォーリオ好きなのに気がつかなかった(笑)急いで十二夜引っ張り出して読んでるところ🧦 ただそんなんだから引用の意味が無知ゆえいまいち分からない。後で見かけたのはノームに向かってトミーは"シャイロック(ヴェニスの商人)"と言っているらしい。

シェイクスピア作品の舞台となった国リスト - 備忘録

オリバー!の時にフェイギンを知りたくてヴェニスの商人読んだのだけどあれも舞台はイタリア。あとヴェニスの商人もいくつかのお話をまとめたものらしいのを知らなくてへええと思った記憶。十二夜はイリリアですがシェイクスピアはイタリアで繰り広げられるお話多いよね?と思って確かめたまで。そこからはよく分かんないです。

内容は書き残すつもりないけれどどうしたって影響があると思うから先に見たということだけことわりたい。観劇、トークショー、講義と一日浸かれて最高でした!

 

GC

前回までは1階だったのですが今回はGC階!舞台の縦演出があるから一階よりGC階の方が光景としては綺麗(作品が見せたい光景)に見えるのかも。物語が見やすく入ってくる。ただロックの殿堂で見上げるのは1階いてこそなのかもしれない。明確に分からないけれど音楽の聞こえも違う。いくらか音楽が大きく聞こえるんだろうか。GC階不思議な席だよね。他の劇場にないのは何で何だろう?

 

映画カジノ

これ映画カジノのロバート・デ・ニーロ演じるマフィアの台詞「やり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。俺のやり方だ。」に感動したってお坊さんのお話からの呟きでした。開演前、何気なくトミーの歳を知りたくて調べていたら映画カジノにカメオ出演してるらしいよね?ジョー・ペシの役はトミー・デヴィートなの??この二人も熱かったんだなぁと思ってるところ。

映画『ジャージー・ボーイズ』キャスト・あらすじ・注目ポイント!クリスマスソングもプレゼント! | 洋画のレタス炒め

トミー・デヴィート語る - And This Is Not Elf Land

 

The moments of happiness

正確に考え始めたきっかけと行き着いた経緯は忘れましたがボブがT.S.エリオットと名前を出していたのと「Who Loves You〈愛はまぼろし♪〉」が風の夜の狂詩曲もしくはメモリーのようだと感じるのを詰めてみました。街灯の下のサウンドはジャージーボーイズだけの幸福のようでいて身近な、私も体験しているような普遍的な幸福に感じられます。紆余曲折の先にこれはT.S.エリオットの『四つの四重奏曲〈Four Quartets〉』で言葉になっているんじゃないかと思った次第。頑張って書きますけど絶対言葉より「Who Loves You〈愛はまぼろし♪〉」を見る方が分かる。あの気持ちです。

ただ私にはエリオット難しいのでまずはここに至るきっかけになったアルプの記事抜粋も引用します。

「幸福の姿」の原詩及びそれとほぼイコールの歌詞には、ロイド=ウェバーが指摘するように記憶について、またわれわれがなぜ過去を必要とするかについて重要なメッセージが隠されている。私の見るところ潜んでいるメッセージはふたつあると思う。人は幸福の瞬間に出会っているのに、その体験の意味するところをしっかり認識していない。今いちどその意味を確認することで追体験しようではないか。これがひとつ。もうひとつは、そうして甦った幸福感はひとりの人生体験によるものではない。何世代にもわたる多くの人々の体験の堆積だということである。

2021.4『アルプ』内「ミュージカル千夜一夜」より

人は幸福の瞬間に出会っているのに、その体験の意味するところをしっかり認識していない。今いちどその意味を確認することで追体験しようではないか。

「みんなが聞いてくる何が最高かって」に対して「街灯の下で4人で立って全てがまだこれからであのサウンド 僕たちのサウンドを作ったとき あらゆるものが消えてそこにあるのはただ音楽だけだった あの時 あれが最高だった」と答えるフランキー。サウンドを作ったその時はその幸福がいかに素晴らしいものかきっとはっきり分かっているわけではない。ただもう一度舞台観て”四つの生涯”を追って幸福を追体験する。そんな風に私には見えました。

そうして甦った幸福感はひとりの人生体験によるものではない。何世代にもわたる多くの人々の体験の堆積だということである。

まだまだここに関しては浅い経験でしかはかれないのが残念。私が思ったのはハーモニーをフォーシーズンズが奏でる。そうした青春の皆で同調、共有した記憶がかけがいのないものだという経験は普遍的な体験だと言える。その幸福感をシェアする感覚。今、ジャージーボーイズを見た私の体験・感情は過去にフォーシーズンズが体験した感情であってその体験はこれから先にもあるだろう。”現在と過去が未来にある”までは分かる気がするけど”未来が過去に含まれる”ってよく分からない。過去の記憶を思い返すみたいなことだろうか?

この記憶の追体験と時間感覚をロックの殿堂で感じる、キャッツよりもずっと分かりやすく。たぶんあの場面が心に響かないってことはないと思うんだよね、人間は誰かと関わりあって生きていくものだから。舞台にだけ存在するジャージーボーイズであるフォーシーズンズという幻影はマッチを擦ったような儚さがあって強く強く"今"そして"生"だと感じる。

これより『四つの四重奏曲』より抜粋して引用します。

四つの四重奏曲 - 株式会社大修館書店 (taishukan.co.jp)

『四つの四重奏曲〈Four Quartets〉』「ザ・ドライ・サルヴェイジズ〈The Dry Salvages〉」

折り折りの幸福感——仕合せのことではない。

実現、達成、安心、愛情などでもない。

うまいご馳走のことでもない。それはあの思いがけない光明のこと――

われわれはあの体験がありながら、意義を掴みそこねている。

意義に迫って行けば、体験は

違った姿で戻って来る。どんな意味あいの幸福も

これには到底およばない。前にも言ったように、

意義の甦った過去の体験は

一人の人生の体験に留らず

幾世代の人々の体験ーーおそらくは

全く言いようのないことまでも含んでいる。

ⅡI. 思想内容
Four Quartets のテーマは,一口に言って「時間と非時間が人間の生に対して持つ意義」である。これをやや敷衍すれば, 時間の中で生活しながら非時間(永遠)に接することを願い、果たし、そして時間の世界のみならず非時間の世界をも視野に収めながら, 現実を新しい気概をもって生きてゆく決意をうたっている。
このことを少し筋道立てて述べてみよう。 文学でいう 「非時間」には三つの面がある。その一つは「回想」 による無限性, その二は作品の 「永続性」,そして第三は宗教的な意味での「永遠」 である。この三つの非時間相はすべて, Four Quartets の中でテーマとして扱われ, 混然一体となっている。


さて第一の「回想」 であるが、ある経験が記憶されると,それは印象の強さに従って長時間保たれ、 きっかけさえ与えられればいつでも意識の中に再生される。 これが回想の非時間性である。 さらに, 回想によって過去の体験を再現するとき、われわれはその体験の持つ意義や情緒までも味わうことができる。(その意義や情緒の中には,当時は気づかなかったものもあろう。) そして当時の自己も再現される。このときわれわれは, 「永遠の今」 を実感するのである。

最終的にフランキーが導くフォーシーズンズのサウンドにいたるまで、必要な事柄を4人それぞれのナビゲートで巡り、楽しみも苦しみも味わい直す。それ自体が「回想」だと思う。

次に、作品の永続性であるが,これを実現するために詩人はさまざまな体験の中から高い価値のある題材を選ぶと同時に,これにふさわしい高度に芸術的な方法で表現する。 Wordsworth が「詩は平静のうちに回想された感動から生まれ出る」 (Preface to the Lyrical Ballads) と言ったのは、上の目的を実現させるための慎重な配慮にほかならないし, John Keats が 「美しいものは永遠の喜びである。その美は増しこそすれ決して無に帰することはない」 (Endymion) と言ったのは,このようにして創作を見た作品の持つ不滅性(非時間性)についてうたったのである。

Eliot は Burnt Norton (11. 137-43) の中で中国産の壺を例に,偉大な作品の不滅性についてうたい, その完成された姿を「静止に達し」たと言い表わしている。 すぐれた作品をすぐれた鑑賞者が味わうとき、鑑賞者の自己も作品も時代性も意識されず, 主客合一して区別が無くなる。 すなわち,時間の中にあって時間の外の相 (非時間相)を体験するひとときである。

フォーシーズンズの曲は「Ces Soirees-La」のように時も場所も越えて愛される。音楽であるということだと思うし、既に日本で再再演されているジャージーボーイズ自体もまた年代も場所も選ばず愛されていて作品の永続性を感じる。

第三の宗教的永遠を垣間見ることは非常に困難な, また稀有なことである。
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非時間と触れる一瞬に認識されるのは 「廻る世界の静止点」, 万象を統一する経綸の中心にあるもの,すなわち神そのものであり, Eliot にとって認識可能な神と言えば, キリストに他ならない。 現実世界はヘーラクライトスの言うとおり 「動」 に明け暮れ, 変化して留まらないが、心をこらして見るとき,そこに不動の一点が見出される。 矛盾と相克に満ちた大自然も、 また人間世界も, 宇宙の壮大な図柄の中に丸く収まっている (Burnt Norton)。 海の波間の一点にあの子供たちの喜びの声が聞こえる (Little Gidding)。 覚醒した霊において見れば、 万象の中に時空を超越した静止点、不変の相,存在の本質的な意義を感得することができる。 静止点は万象の「意義」 となって眼に映する。
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非時間は,常に自己を殺して愛に生き、熱誠こめて求めつづけるうちに与えられたり,また取り去られたりする。 努力なしには得られないが,しかし努力だけでも得られない。向こう側から恩恵的に与えられるものだ、と言うのである。

永遠は街灯の下のサウンドだと思う。回想であり、作品の永続性の根源であって純粋でとても美しい。そこにあるのは音楽だけだった。これは廻る世界の静止点に思える。
フォーシーズンズにとっても、私たち観客にとっても、フォーシーズンズの音楽に触れた皆が美しいと感じる"サウンド"それはアイデンティティそのもの。また"向こう側から恩恵的に与えられるものだ、と言うのである。"からは恐れ多くも一般大衆の支持を得てロックの殿堂に立った事実を思い出します。一般大衆が作り上げた永遠でもある。

『四つの四重奏曲〈Four Quartets〉』「バーント・ノートン〈Burnt Norton〉」より

現在の時も過去の時も

たぶん未来の時の中にあり、

また未来の時は過去の時に含まれる

舞台だからこそ共有されて味わえるのかも。

言葉の意味が分かるのとその意味を体感して理解する瞬間は別だと思います。 街の灯を消して夜が来る、やがて太陽が上り朝が来る。 風の夜の狂詩曲を読んだのも合わせて今日やっとひとつ気づきを得られた気がする。
街の灯というのは夜にも活動する人がいる都市だということ。劇場は人が集まる場所だから周りに人がいるところ(都市)にある。
“街の灯”は舞台設定と現実の劇場自体をも噛み合わせる言葉なのかもしれない。温もりを感じるのは思い浮かべるのがガス灯だからなんだろうな〜

キャッツ「幸福の姿」より

幸せの姿 つかの間に消える

永遠の幸せ望むなら 心に深く求めるのだ

そしてついに 思い出を辿って甦り

新しい形で 生まれ変わった命こそ

本当の幸せの姿なのだ

もう永遠に変わらず 永遠に消えない

https://joysound.com/web/search/song/96322

The Dry SalvagesのThe moments of happinessがジャージーボーイズの最後の場面、街灯の下のハーモニーなのかもしれないというお話でした。

 

ジャージー式の契約

言葉の契約をしたがるのは前に何かあったのかそうするものだと思ってるんだろな。握手という不確かなものが長く続くってそれだけで尊いと感じてるんじゃないか。ニックのことを“親友”と表すような人付き合いをしてきたボブにとって握手ひとつで関係性が続くなんてそれこそ”革命”だったのでは?そう考えていたら「Oh,What a Night」の歌い出し自然に泣いてしまった。December,1963 (Oh,What a Night)、はじめてのことと繋げてるけれど忘れないあの夜なのはジャージー式の契約・握手もなんだなと感じる。
春よりも夏の方が極端な修正が入っていないから私も同調しやすかったのかもしれない。けれど夏もボブ・ゴーディオによる過去を振り返った思い出補正が入っているんだと今回強く感じた。ボブがフランキーに言われて嬉しかったことはもれなく触れているように感じる。トミーはなんだかんだまだ許せない気持ちから少し冷たく欠点が目に付くしおざなり。

December,1963 (Oh,What a Night) / あの素晴らしき夜 (Four Seasons / フォー・シーズンズ)1976 : 洋楽和訳 Neverending Music (blog.jp)<

上手く言えないけどDecember,1963が禁酒法廃止をテーマに作られたと思って女性をお酒に変えてみるとお酒なのか飲みなのかが好きなんだなって面白く感じちゃう。 

アメリカの禁酒法はなぜ制定された?その結末とは…|CHEER UP! 毎日のワクワクした暮らしを応援するポータルメディア

ニックはそんなにお酒のイメージがあった人なんだろうか?象徴的に出てくる気がする。

 

低音木管の響き

教会に忍び込んでパイプオルガンでハーモニーを教えているニックが出すもっとも低い音がコントラバスクラリネットみたいでとても好き。共鳴する。でもほんとイメージしていない低音すぎてかなり驚く!ミュージカルってそういう世界かと思いつつプロはすごいなぁとシンプルに思う。

【コラム】音楽の仕組み #29「管楽器について」【NOAH BOOK:ノアブック】by SoundStudioNOAH

低音木管の音の波の荒さは金管とは全然違うよね何由来なの?と軽く調べたらリードの震えがあの低音木管のバリバリバリになるの?不思議。

【ピンクパンサー】をコントラバスクラ3本で演奏してみた - YouTube

 

秋のニッキー

みんな好きだと思うけど秋のニックの衣装とても似合ってらして好き👔 「ジャージー出身ではない」の両腕の広げ方、あの体格であってこそ仕草含めてバチッとハマる格好良さ。サンセット大通りのジョー・ギリスみたいな雰囲気がいい。

Sunset Boulevard - 'Sunset Boulevard' - YouTube

 

もしファンだったら…

いくらジャージーボーイズがニックの追悼公演(フィクション)とは言ってもフォーシーズンズの裏側を知りたいかというのは別問題でして。

自分の愛しているグループの曲が流れ、本人たちと同じ名前を呼びあい、物語が進んでいく。もし私がフォーシーズンズのファンだったら観られるだろうか??観たならば脚色されていることに気づくだろうし、自分たちの音楽と名前と舞台を魅力的にするフィクションを全て使ってでも甦らせたかったのはフォーシーズンズのハーモニーなのだと分かる。ハーモニーはニックがプロデュースしたもので尊さは観るたびに増していく。

 

ヴィヴァルディ「四季」

「ヴィヴァルディも喜んでる!」で分かる人しか笑わないやつはあぶりだしなのか?と考えてしまったwとても面白かった上に「もう死んでる」の駄目押しが更に面白い。それはそう(笑)これ自分に重ねるのだけど音楽は聞く趣味を親や身近な人が持っているか、習慣化しているかによって変わると思う。自分が笑われる側だったって分かるから誰にでもヴィヴァルディも初めて触れる瞬間があるわけでと思いつつ、これはボブゴーディオの視点だから冷たく感じるのもありそう。

 

同じ穴の狢

トミーが訴えていたカモにしようとグループに近づく輩というのは絶対いたはず。トミーはフランキーの車を詐欺だと見抜いたように思考や行動が分かるんでしょうね。トミーがいたから守られていた側面あるんだろうなぁ。ニール・キャフリー。

 

ビートルズ

知らないでいえば英国放送気づけないのは知らないからなのか…ってなってるとこ。私はリンゴ・スター知らないしビートルズも曲以外はよく分からない。冒頭ラップも何か気づいてないことがあるのか分からない。でもたぶん今まで私が触れてこなかったというだけだろうけども。この日の席、ビートルズって逆にリンゴスターくらいしか知らなくない?リンゴスターって名前が覚えるよね、ダイアモンド☆ユカイくらい。という会話が聞こえてきて好きだなって思った(笑)

 

デジタルタトゥー

なんとなくそうだろうとは思うんだけど少なくとも私は携帯は身近な存在な世代といえると思う。SNSとは言わずとも情報伝達のスピードが早いのだと思う。
レコードが沢山売れたり、雑誌の表紙になったりグループの勢いがジャージー出身の慣習の悪いところを「覆い隠してくれた」とニックは言う。ただ体感として私は悪いことをしたら素早く情報が駆け巡る"拡散"そしていつまでも消えないタトゥーの感覚がある。
だから情報を覆い隠せる時代の情報伝達スピードの想像はロミオとジュリエットの神父様からの手紙くらい雑なんだろなって思う。そういうこともあるだろうねと話をしあってることこそが時代を共有してるように私には見えて羨ましさがある。

 

OUR SONS

ジップ・デカルロが神父様と兼役なのは立場やしていることが違うようで似たような役割をしているから?我が息子よだっけ?トミーがジップにハグされるのとフランキーが神父様に気持ちを受け止めてもらう光景が重なる。ロボ庭のボリンジャーとお父さんを同じ俳優さんがされるみたいに。

 

ハドソン川

クレイジー・フォー・ユーからずっと感じてるんだけどどうしてもアメリカの土地勘、距離感が分からないからお話を聞いてみるとそうなのか~~分かればなぁ…と思うことが多い。仕方ないことだけど知りたいものは知りたい。

ニューヨークとニュージャージーの違いって・・・ | ちゅうおっと(駐夫)のアメリカ主夫・育児奮闘記@ニューヨーク・ニュージャージー (chu-otto.com)

ニューヨークに来たら、ニュージャージー州に行ってみませんか? (jtb.co.jp)

「ロックの殿堂」とはいったい何か?誰が受賞できるのか?「ロック」だけなのか? (udiscovermusic.jp)

 

カタログミュージカル

カタログミュージカルってマンマ・ミーア!とダンス・オブ・ヴォンパイアくらいしかたぶん観てないけど書き留めたい。マンマは既存曲を使っていてもABBAの物語じゃない。だからジャージーボーイズ相当攻めてると思う。ボラプとか映画で似た作品が多いから気になんないかもだけど。

 

ジップ・デカルロの非日常

ジップ・デカルロが「My Mother's Eyes」を歌ってくれと聴きたがるのはトミーが午前だけで50件は片付けてる(だっけ?)というように日常が喧騒だから非日常・必要なのは静寂だと知る人なのかも…などと思ったりした。

http://chat--noir.com/trav/fete_th.html

 

その他

・なんとなく春のニック格好いい寄りに見える。なんだろう?

・他に出てくる名前もこのくらいピンとくる感じなのかな~ってシナトラの名前を聞くと思う。

・ボブ・ゴーディオがBig Girls Don't Cryを作った経緯、アンマスクドで話されてたラジオシリーズの「次回はエバペロンです」という案内をティムライスが聞いてロイドウェバーにミュージカルに良い題材が見つかったと電話してきたというの思い出す。何かを作る方ってそんな感じなのかな?

・フランキーがニックのことを"偉大な頭脳をもってしても"みたく評するけれどあれはなんなんだろう??

 

春のニッキーについて再び

刑務所に行くというのに「舶来物だぞ?」と言うようななりたいものはあるけれどまだそこには行き着いていないような若さがいい!私は春のニックがとても好きだなぁ。言葉にしてて気づいたけど「舶来物だぞ?」なんてあの状況でわざわざ言うところも好き。かわいい。舶来物でも、ザバラエティトリオで周囲見渡してるのでも思うけれど周りからどう見られているかとても気にする人なんだろうなと感じる。ちょっと頑張ってる感じが見えてしまうから可愛いんですけどボブが明かすようにシャツに二度もアイロンを掛けるのは習慣だけでなく基本的には変わってないんじゃないかと少し思う☺️トミーの行動で我慢していたところは沢山あると思うけれどもキレるポイントとして真っ先に出してきたのがバスルームなのは身だしなみを整える場所だからなんだろうな。ニックがずっと大切にしている部分を見ていながら3人は見てなかったんだなと思う。

トミーが語る春だというのもあるかと思いますが繰り返される「俺も自分のバンドを作るかな」春が一番ふんわりぽやぽやしていてかわいい😂何度離れようとしてもトミーは必ず必要として引き留めてくれたんだなと関係性にグッときます!最後にニックが近くの演奏を見に行き、フランキーと数曲歌っていますがあれ必要とされてるからもあるのかな?

 

教会の音

Silhouettes前の響きを丸くして漂わせているみたいなポン、ポン、ポン、ポンは教会の響きみたい。正確には教会か分からないんだけどAnunaを思い出すような。

ANÚNA : Angels Are Singing - YouTube

 

ハーモニーを奏でるのに必要なものを知っているニック・マッシ

トミー 「ニックはハーモニーの天才」

ボブ「誰かといる方が楽しい」

フランキー「ニッキーがいなければ歌えなかったし」

私は誰かがいなかったら音楽をしていないから一人で演奏する楽しさ分からないんだけどメロディを演奏する楽器がアンサンブルする時、周りの人は存在していないのかな?と思う演奏される方も時々見かける。フランキーはニッキーのおかげで歌えるようになったと言ってる。これソロもあるかもしれないけどハーモニーの意味だよね。音楽にせよ人間関係にせよハーモニーが生まれたのはニックがいたからなんだね。

親友になった

ちょっとまだ考え切れません。また後で考える。

ボブがニックを語る時の違和感がある。いきなり”親友になった”とか小学生かな?と思うからかも。

最初は後から振り返って「親友」と使っているんじゃないか?と思っていました。けどもし本当に親友だと思っていたとしたら?「Short Shorts」ヒットで本来出会うべき友達に会えなかったのかもしれないボブとニックの間には意識や感覚の溝があります。ニックがキレてる時、ボブではなくゴーディオと呼ぶのは少し距離ある感じ?夏であれだけ打ち解けているボブとニック。秋のボブとニックを見て親友だと思う人はいないでしょう。夏でボブが親友だと自分の言葉で伝えてくれるから真逆に考えていると分かって有難いです💦

ニックを見すぎていて秋のニックの脚色に気づけていないんだろうなと感じる。自分を通して語るために都合よく切り取っている場所。

ニックもその時にせよ後にせよボブがニックをグループの一員ではないと思ってるわけではないと頭ではきっと分かってるんじゃないかと夢見てる。「家に帰りたい」そう思うってそれがしたいことだと確信するほど許せない内容、タイミングはありますよね💦その言い方は誤解されると気づかないのはとてもボブだなと思います~アンバランス。怒りで過剰にもなっているところあるにしてもとどめていた思いが瞬間的に現れてしまったのかな。そこまでではないと思いますけどもし私がボブだったらハンクと同じ扱いだったのかと凹みます。

ボブはフランキーが「歌えるようになったのはニッキーのおかげ」を幾度となく聞いているんだろうなぁ。

ボブ加入時の光景はボブがナビゲートしている。夏の加入時の光景は真実だとしてもメンバーとして音楽が素晴らしいと引き入れようと喜んでいる。その先でボブはニッキーを親友だと思っている感情が反映されている可能性を考える。

ニックはフランキーとボブのジャージー式契約を聞いてしまってフランキーがソロで歌っていく可能性、ボブが制作側にまわる可能性どちらも考えたのかな。そのどちらもグループではなくなることには他ならないわけだし。

契約は魅力を際立たせるのは僕だという思いからなんだろうけれども(ALWがオペラ座の怪人作ったように)ニックは違うようにとらえてしまったんだろうなぁ。そして実際にグループの危機の側面でボブはトミーに対して切り捨てる提案をした。そのあと自分の曲とフランキーの声で頑張りますとなぜか言っちゃう。言葉の選択下手すぎる。でもあれボブはニッキーは親友という過信も作用してるのかなって思う。いてもいなくてもじゃなくていて当然と思ってたんじゃない?ニックの目にはそう映らなかったのよく分かるけど。もしそうだったらラストのニック独白、語られていないけれど近くの公演を見に行ってボブのしたかったこと言いたかったことが客観視して伝わっていたらいいなぁ。

見ているところニックも考えていること思っていることはあってもそこまで深く考えて行動してるわけではなくてその場が楽しいからという感覚で自然とグループの仲間として調和(音楽も人間関係も)させている気がする。ただ契約を聞いてしまったところでグループで活動していくことを一人考え続けてしまったのかも。

ニックはボブにトミー、フランキーと同じようなフォーシーズンズとしての仲間意識を持ってもいただろうし、グループの仲間だとは思っていてもジャージーの仲間ではないとも思っていたんだろうな。

音楽をするときの喜びはニックとボブで似ているところがあるんじゃないかと思います。プロデュースする喜び。ニックはグループ全体のハーモニーバランスで、ボブは魅力的な曲で支えること。

俺のバンドを作ることはなくても俺の家族という変わらないニックだけの輪に戻っていくんだもんね。