2023年3月18日 15時公演
2階上手
キャストさん
万次郎 政所 和行
伝蔵親方/親藩藩主 深水 彰彦
重助/老中 神保 幸由
寅右衛門/幕臣 武智 正光
五右衛門/福沢諭吉 渡邊 寛中
ホイットフィールド船長/島津斉彬 宇龍 真吾
アリー 柿野 麻季
ポリー 志賀 ひかる
キン 前田 更紗
ギン 塩住 珠希【男性アンサンブル】
中村 智志 小原 てつを 下平 尚輝田中 宣宗 一色 龍次郎 塚田 正樹
髙草木 健二 井澤 智 嶋野 達也
【女性アンサンブル】
大橋 伸予 片倉 あかり 土肥 麻由弥海宝 あかね 織笠 里佳子 高倉 恵美
あらすじ
江戸時代の幕末から明治にかけて実在した人物、「ジョン万次郎」。
彼が生まれた頃の日本は「鎖国(さこく)」という政策を敷き、外国との交流を禁止していました。日本人のほとんどは外国人を見たことも、外国の言葉を聞いたこともありませんでした。海の向こうには、鬼のように恐ろしい人々(南蛮(なんばん))が住んでいると考えられていたのです。土佐の国(現在の高知県)の漁村に住む14歳の少年、万次郎は魚を獲るため仲間とともに海に出て、嵐にあってしまいます。陸地を見失って漂流すること8日。万次郎たちは無人島にたどり着きます。満足に食べることも水を飲むこともできない苦しい日々。そんな彼らのもとに現れたのはアメリカの捕鯨船(ほげいせん)「ジョン・ハウランド号」でした。
初めて見る外国人は、姿も、話す言葉も、着ているものもまるで日本人のものとは違っていました。けれど噂に聞いていた鬼のように恐ろしい人たちとは思えなかった万次郎は、勇気を出してジョン・ハウランド号に乗り込み、アメリカに渡ります。命の恩人であるホイットフィールド船長のふるさと、フェアヘブンの街で船長夫妻に実の子どものようにあたたかく迎えられました。
万次郎はアメリカの進んだ文明について学ぶ中で、日本とアメリカ、二つの国の架け橋になりたいという想いを強くしていきました。「鎖国(さこく)」を続ける日本に外国から戻ればどんな罰を受けるかわかりません。それでも万次郎の決意は変わりませんでした。
そんな万次郎にホイットフィールド船長は、国だけでなく「人の心」も開いてほしいと言います。国を開くことも大切なこと。けれどもっと大事なのは人々が世界に目を向けて大きく心を開くことだ、と。アメリカの人々に背中を押され、万次郎は8年間暮らしたアメリカを後にしました。
日本に帰ってきた万次郎を待ち受けていたのは厳しい取り調べでした。アメリカの様子を説明するものの、なかなかわかってもらえません。しかし万次郎は諦めることなく説明をつづけます。「そう簡単にわかり合えはしない。お互いわかったつもりになることが一番こわいのさ」。
1853年、アメリカから黒船が来航し、江戸幕府に開国を要求します。大混乱に陥る日本の人々。
はたして万次郎は船長との約束通り、人々の心を開くことができるのでしょうか・・・。
夢は続く 大海原へ🌊
— 明音 (@akane_akaruioto) 2023年3月18日
『ジョン万次郎の夢』でした🐳 pic.twitter.com/INPTjKiDGg
マチネ買い足したつもりがソワレでしたびっくり仰天眉唾だ!
再演
前見た時はそんなに思わなかったけど今見るとあれだけ大丈夫か?と聞かれていたのに疑わず状況把握せず起こるかもしれない危機考えなかった親方がとても気になります。(最初からついてこいタイプに見える)これは自分が少しだけ変わったのかもしれない!後々前に観たジョン万の感想を読み返してみたところ、今回の感想と同じことを言っていて変わっていないのかもしれない(笑)
音楽
日本にいて三木たかしさんの曲に触れずにいるというのはなかなか難しいことなんではないかと私は思っていて気づかずとも自ずと知っている方なのだと思う。 ジョン万も始めの曲から良い曲で、次の曲も良い曲で、またその次も良い曲であまりの曲の良さにビビる。紛れもなく曲が良い。ただただ曲を、歌を聞いているだけで自然に心が開いて世界を実感するの音楽の力だなと素直に感じます!とても良い曲だからこそ聞いているだけでその気にさせる力があると自覚して自分自身の心の移り変わりを一度振り返ってみる必要があるなと感じます。導かれるというのは良くも悪くも利用できると思いますので。全曲素晴らしいからいつ音源発売かな?って感じですけど祈り、願いの思いの強さは素敵だなと漁師たちの嘆きナンバー聞いて思います。 ジョン万一演目でアメリカと日本の楽器の違いを感じられるのも好きです。
「世界に目を向けて 大きく心を開こう 私たちひとりひとりが この地球を支えてる」
『心を開いて』より
脚本・台詞
音楽の良さだけでなく台詞(言葉)の心地よさはストプレを見て感じるそれでここに四季らしさがあるんだなと感じる。土佐弁と少し古い言い回しは日常的に耳にする日本語ではないのに理解に苦労しないテンポ感と音の良さは不思議なくらい。そもそも開口を前提に作られているという呟きお見かけして確かになぁと思うなど。
ファミミュだからメッセージが繰り返し提示されて分かりやすい!それはまとまりある脚本あってこそ。伝わりやすいものは"分かりやすい"。 キース・ヘリングのようにパッと見て好ましいと受け入れてくれる人が増えればそのメッセージに気づく人も自ずと増える。ファミリーミュージカルを観ると毎度思います。
舞台は繰り返し観て面白いものだと思う(繰り返しは公演期間内の差分ではなく再び作品を観ることによって自分自身の成長、経験による変化を感じられる意で) ジョン万に出てくる人物や出来事は歴史の授業で習うからきっと楽しいだろうなぁと思って。
ジョン万「世界に目を向けて 大きく心を開こう」
李香蘭「徳を以て 怨みに報いよう」
に通ずる感覚を受ける。
「憎しみを憎しみで返すなら 争いは未来永劫続くだろう」
「あの不幸な出来事が 後の世のための 教えとなるように 憎しみを捨てて考えよう」
李香蘭の以徳報怨より
セット
ジョン万の2階席は今はなきバルコニー席の光景。人力セットや仕組みが知りたい初見ではない方が向いてるんだなと。 黒船来航で幕府へ呼ばれた万次郎、一面赤く照らされ登場人物分だけピンスポットで白く抜かれた明確さ。焦りが増して見えるような気がします。
振付
敬二さんの振付自体がスタイリッシュで格好良く、デッキブラシや縄など取り入れる小道具の多彩さは楽しくて素晴らしいなと思う! 加えて踊っている方の所作から四季は基礎にバレエがあるのが見えて美しい!そしてやっぱり単純にあの振付を踊っていること自体の凄さが脱帽すぎる~
取り調べでの万次郎の話を聞いた人々が竹垣から伸ばした腕と顔だけでタッドでもないコミカルな場面にあった振付になってるの好き!仕草としてはあるのに意味仕草すぎないのもいい!
汝隣人を愛せよ
日本でキリスト教の教えを見た時、シンプルに言っていることをとらえられる、物語のひとつとして見られるのが利点なんじゃないかと思うことがある。
「汝隣人を愛せよ」
考え方、宗教など違いのあるアメリカ人だけでなく日本人でも分かり合えないことがある。全てを理解できないとしても相手を知ることはできる。何を大切にしているのか知って尊重していった先に多様性を見る気がしています。
島国・日本
ホイットフィールド船長も言っているように「日本は四つの島」からなっている。地続きの場所では街を城壁で囲ったり、壁を作ったりしても難しい"他者を寄せ付けない"が地理的条件である程度出来てしまうのを自覚し直すなぁと。
成功している事例を取り入れる
他の場所で成功している素晴らしい考え方や仕組みをそっくりそのまま取り入れようとすると環境の違いから上手くいかない事例は沢山転がってる。そういう時に大切なのはその乖離を埋めることなのだと常に思っていますが改めて思い直します。個人的に緩衝材の大切さみたいな話が好き。理解されず生かされないことが世の中沢山あるのだと思う。
ピストルと刀を地に置き、アメリカ日本の二人が交わした手を握る万次郎、なんとなくめ組の喧嘩?とかで仲裁していた数寄屋橋と言ってた人に感覚似てる気がする🤔私に免じて~みたく言う人
世界に目を向けて 大きく心を開こう
"身分差のないアメリカ"にある街”フェアヘブン”。街の名前には新天地への希望が見て取れます。ただ万次郎が良いと思う当時のアメリカでも肌の色で差別する悪習、武力で日本を圧屈しようとする意見など争いの種があることは示され、現在のアメリカも完璧な場所ではないと私たちは知っています。その上でジョン万がなぜ開国を心を開こうと求めるのか。鎖国したままでは多くの人々が知らなかった世界情勢。もう開国しか道がない状態になっていること(諸外国が何をしようとしているのか)、日本の歴史を見返して世界の情勢を読み間違えている局面と結果も浮かびます。世界と日本の情勢はどうなっているだろう?日本は政治に国民の意見が反映されているだろうか?身分差なく目指した民の民による民のための民主主義の制度が目指した理想を鑑みて今の日本を見つめます。
\\ ぜあしーぶろー🐳 //
人民の,人民による,人民のための政治(じんみんの,じんみんによる,じんみんのためのせいじ)とは? 意味や使い方 - コトバンク (kotobank.jp)
太平洋序曲の予想
同じ3月公演の太平洋序曲もジョン万のミュージカルというところで描き方の違いについて触れているのをよく目にします。まだ太平洋序曲未見なので書いておきたい。太平洋序曲の内容をもし日本人が作ったとしたら平和に近づくだろうか。日本人が平和に近づくには「心を開いて」世界を観てみる必要があるのだと思う。太平洋序曲は開国させたと思うことが出来るアメリカだからこそ作れるミュージカルなんじゃないかってのは合っているのか今度確めにいきます~~
追記2023/04/08
政所さんの万次郎ははじめての漁、何をするのか、海はどんなところなのかまだ良く分かりませんといった等身大の14歳。わくわくというより未知に触れるそわそわが明るい。主役からアンサンブルまでWキャストでまるごと週替わりだから当然バランスが違います。先週は政所さんもそうだしアンサンブルにもCATSに出てる方沢山だから個々人の踊り方を覚えているような方ばかり。キャスティングで分かるけどダンスでの高揚感が半端じゃない!当然目も足りない!
深水親方は頑固さがあって面と向かっては言えないけれど神保重助は抱えてるものがありそうだなと思っちゃう。親方に重助、寅右衛門がついていく関係性。
深水藩主が決めたなら白も黒な感じある。
ファミミュといえばな信頼を勝手にしている神保さん。重助が足を怪我してもう駄目だといじいじ悲観している様がとても好きです。怪我してたら増してもう嫌だと思うだろうなと想像しやすい。