珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

六月大歌舞伎-2017/06/08-

2017/06/08(木)夜の部

歌舞伎座

 

www.kabuki-bito.jp

(以降上記サイトより引用)

一、鎌倉三代記かまくらさんだいき)

絹川村閑居の場

佐々木高綱
時姫
三浦之助義村
阿波の局
讃岐の局
富田六郎
おくる
長門
幸四郎
雀右衛門


宗之助

門之助
秀太郎

 

河竹黙阿弥

二、曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)

御所五郎蔵

御所五郎蔵
傾城皐月
子分 梶原平平
同  新貝荒蔵
同  秩父重助
同 二宮太郎次
同 畠山次郎三
花形屋吾助
傾城逢州
甲屋与五郎
星影土右衛門
仁左衛門
雀右衛門
男女蔵

巳之助
種之助
吉之丞
松之助


左團次

 

長谷川 伸 作

村上元三 演出

三、一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)

駒形茂兵衛
お蔦
堀下根吉
若船頭
船戸の弥八
酌婦お松
お君
庄屋
老船頭
河岸山鬼一郎
清大工
船印彫師辰三郎
波一里儀十
幸四郎
猿之助

巳之助

笑三郎
市川右近
寿


由次郎

 


f:id:akane_akaruioto:20170609180646j:image

天井の淵のとこにある金の装飾って何なんだろう?

下の写真にある丸いやつじゃなくてくの字だったり、平べったいやつ。

あれが気になる。

センゴクさんが座ってる後ろにも同じのがあって気になっていたのです。

あと天井の長方形かと思いきやデザインされてカットされてる板っぽいやつ。

隅々まで歌舞伎座は形があって居ることに価値を生み出す空間だと感じます。

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この日最大の失敗は自分の体感温度を信じてしまったそこである。

最近寒いんだか、暑いんだか分らん気候ばかりで正直信用ならない。

今日ちょっと寒いわ~長袖着てこ、などしてはいけないのである。

重ねられるようにしなきゃダメなんだなぁ…

公演中こんなに暑い~と思う公演もなかなかないよう、ほんと失敗した。

晴れてるからなんぞ?と思うけれど梅雨入りしたらしいから

尚更自分など信じずに重ね着だと学んで生かさなっきゃね。

 

夜の部観てて思ったけど着物ってめっちゃ格好いい!

ピシッと着てるのもいいんだけど、はだけたり、足ダァンと踏みつけて出したりが粋っていう方向に格好良くて大変好きです_(:3」∠)_

一、鎌倉三代記

佐々木高綱
時姫
三浦之助義村
阿波の局
讃岐の局
富田六郎
おくる
長門
幸四郎
雀右衛門


宗之助

門之助
秀太郎
歌舞伎らしい趣向に富んだ時代物の名作

 北條時政との戦いで、劣勢を余儀なくされている源頼家に仕える三浦之助は、病床の老いた母長門のもとへ、別れを告げに現れます。出迎えたのは、敵方時政の娘ながら三浦之助の許嫁で長門を看病する時姫。長門は気丈にも息子との対面を拒みます。そこへ、百姓藤三郎が時政の命により、時姫を呼び戻そうとやってきます。しつこく時姫に言い寄りますが、逆に斬りつけられて井戸へと逃げ込みます。しかし、藤三郎の正体は三浦之助と共謀する佐々木高綱。三浦之助は時姫に父時政を討つように迫り、時姫はそれを承諾、高綱とともに鎌倉へと向かい、三浦之助は戦場へと戻るのでした。
 重厚な義太夫狂言の名作にご期待ください。

 

最初にいる二人の女性の衣装がとっても好きだったなぁ!

おしとやかに見えるの^^

 

こういうお話見ると辛い中、やっとの思いで息子が帰ってきたのに

会わないのって辛い…と公演中、そして今これ書くまで思ってたわけだけど

よくよく考えたら母親より早く死にますってわざわざ言いに来るって確かにその方が辛いかもしれない。

武士として戦って死にましただって受け入れられないものだけど

母に会いに来て助かりましたじゃなかったらどっちにしろ辛いですよね。

 

ぎりぎりの題材を当時なんとか劇にするって大変だったのだろうなぁ。

歴史ものって熱い時が一番観るのに良いのかなぁというのはエビータを見てから気になる。

あんまり大層なことが起こるのは遠慮してほしいものですが気にはなる。

 

あんまり分からないで眺めていたけどおくるさんが一番気になります。

ちょっと聞き間違えているかもしれないけれど

おくるさんの夫が佐々木高綱と瓜二つで、

やられた佐々木高綱というのがおくるさんの夫で、

夫のふりしてたのが佐々木高綱ってことですよね?

おくるさんの心情辛い。

enmokudb.kabuki.ne.jp

これを読んで思ったことを思い出しましたが

三浦之助は時姫があれだけ甲斐甲斐しくしても長門(母)に会いたいというわけで

なんか恋愛の話で結局母というのは一番の女性というか、

彼女、妻は変われど母は一人で変わらないし、無償の愛を注いでくれる存在だから唯一だみたいなことを聞いたことがある気がする。

私はそう思うだけですけど三浦之助のために親を討つ決心できるってちょっと怖くないですかね?

恋してればそうも盲目になれるんかな?って感じ。

だからそういう姿見るともし私が三浦之助だったら時姫のことを真に信用できるか怪しい。

二、曽我綉俠御所染

御所五郎蔵
傾城皐月
子分 梶原平平
同  新貝荒蔵
同  秩父重助
同 二宮太郎次
同 畠山次郎三
花形屋吾助
傾城逢州
甲屋与五郎
星影土右衛門
仁左衛門
雀右衛門
男女蔵

巳之助
種之助
吉之丞
松之助


左團次
江戸の風情を背景に描く男伊達の粋と意地

 奥州浅間家の家臣須崎角弥は、腰元皐月との不義が露見し追放となり、今は御所五郎蔵と名のる俠客の身。五郎蔵の不義を密告した土右衛門と京の五條坂仲之町で再会し、今は廓勤めをしている皐月をめぐり一触即発となりますが、その場を甲屋与五郎が収めます。旧主のための金策で苦心している五郎蔵の様子を見かねた皐月は、金の工面のため、土右衛門になびいたふりをして、五郎蔵への偽りの愛想尽かしをしますが、皐月の本心を知らない五郎蔵は激高し…。
 七五調の名せりふが彩る絢爛な舞台をご覧に入れます。

 

仁左衛門さんの五郎蔵は誰もがイケメンと思う格好良さだと思う!

片足伸ばして片足曲げるポーズの決まりようは隙のない完璧な美しさ!

仁左衛門さんは正という印象と静という印象があります。

真っ直ぐ熱い気がする。

それで美しい見せ方、どうしたらよく見えるのかを突き詰めてらっしゃるんじゃないかなぁ。

努力を積み重ねて怠らない故の美しさなのかなぁとなんとなく感じる。

とはこうして期間が空いたから書けるわけで、見た直後は綺麗だったな~くらいしか語彙がなくなるんですけれども。


左團次さんの土右衛門がバットばつ丸みたいな渋い格好良さが私好き!

ってこれは通じるの??

皐月さんは五郎蔵さんが好きで土右衛門さんはタイプでないのは分かるんだけど

土右衛門さんは土右衛門さんでおモテになるんじゃない?たぶん。

うちかなり格好いいと思います~

皐月さん七年も思い続けるって相当一途じゃん!

ロミオよりパリスのが幸せになれるんじゃ…?的な心地と思ったんですけど

逢州が皐月の服を借りて一緒に歩けば皐月が後に来るの了承しちゃうって

人じゃなくて見た目を愛してるというのか、と思いました。

舞台観てる時はそう思ったんだけどこれ土右衛門さんが皐月の我儘を聞いてあげるという風にも取れたのかな~?

土右衛門さんがどういう人なのか気になる。

皐月さんのことを思ってるだけに五郎蔵さんにぞっこんだったのを知ってるわけで

五郎蔵さんを助けるために必要なお金提示して迫ってくるんだから

五郎蔵さんを好きなままなのは知ってるんだから、それでいて一人にしてあげてるのかな?

んーー長編内の一部らしいので計り知れませんが今のところ土右衛門さんが私は好きです(笑)


仮花道がある!初めて!興奮する!

花道には土右衛門を先頭に子分が並ぶ。

仮花道には五郎蔵を先頭に子分が並ぶ。
でも三階最前は基本花道見えない、七三の位置も見えない、勿体ない。

 

五郎蔵さん衣装、白地に墨絵。
五郎蔵子分、黒地にカラフルな円の模様、着物だからぴしりと足揃える。

土右衛門さん衣装、黒地。
土右衛門子分、紫というかピンクというかに灰の袴、足開いて座る。

舞台に顔を見せて座る光景や花道に並ぶのは思いっきり顔を見せるので歌舞伎らしいなぁと思います。

 

十一月に加賀鳶見に行った時も男女蔵さんが最後控えててお姿、お声聞けて嬉しかったんですけど

これも最初に喋り出す子分が男女蔵さんで嬉しい^^キリリされてる。

マゼランの方と記憶しているからギャップに感じて惹かれます。

種之助さんは見たことあったかなぁ?

(調べたらなかった!ご兄弟そろって初見だったみたい)

歌昇さんはお名前やお顔よく見るのに今回初めてだったので見てたんです。

もっとがっつり見てみたいです。

巳之助さんが観たいなぁと思って夜の部観に行ったので見ていました。

好みというのも多分にあると思うんだけど巳之助秩父重助、眉毛キリリとしてて格好いい。

そこだけってことはないんだけどお化粧が上手いんだろうなぁ、格好いい。

子分たちというのは助六ほどじゃないけれど傾城のような感じなので基本座っていてちょっと喋る。

あのほぼ座っているのにそれぞれの違いというのを出すのかな?

五郎蔵子分はシュッとどう見ても格好いい雰囲気で

土右衛門子分の雰囲気を表せないんだけど格好良くないということだけ。


五郎蔵さんの着物が基本的にめちゃくちゃ格好いいんですよ!!

あのハイセンスはそりゃあさぞ格好いいことでしょう!

紫に紅葉だったと思う和紙のような柄のお着物。

対して深緑の一色の土右衛門さん。

土右衛門さんだって格好いいけれどシュッとしないし、重たい感じあるから

イケメンじゃあないんですよね、格好いいんだけど髪型も相まって惜しい!

 

キメる時の惜しげもない足を見せるの、凄い。


皐月さんもどかしみ。

あのどうしようもなくて困るんだけども

五郎蔵さんを助けたい一心で決心し、お金工面する健気さ。

黒い衣装似合うのって美人さんだよね。

二枚目のお手紙が気になる。


逢州の綺麗さと皐月を思う優しさ、惚れるやつ…!

お洒落は私の切り札の「心の内も外も飾る、それが女よ」みたいな女性で大層美しい。

私がそう思うだけかもだけどこの役女性好きだったりしないの?

そんな感じする。

あと私、多分米吉さんも初めて拝見したはず!

綺麗綺麗と沢山聞いてたので綺麗なのだろうなぁと思ってたけど本当だった!

役によって違うんでしょうけど写真から可愛らしいのかと思ってたのに凛とされてた!

 

土右衛門さんは忍術も使えたのです、的なイヤホンガイドの解説聞いて

土右衛門さんハイスペックーーーー!!ってなるだけ。

設定盛りまくってると思えるくらい。


三越歌舞伎座って土右衛門子分のお一人が。

手紙投げ回す土右衛門子分達(笑)

「それにつけても」を聞く度、カールを思い出して寂しい。

 

京劇みたいな音がします。

 

三、一本刀土俵入

駒形茂兵衛
お蔦
堀下根吉
若船頭
船戸の弥八
酌婦お松
お君
庄屋
老船頭
河岸山鬼一郎
清大工
船印彫師辰三郎
波一里儀十
幸四郎
猿之助

巳之助

笑三郎
市川右近
寿


由次郎

長い歳月恩義を忘れなかった一途な男

 水戸街道の取手宿にある旅籠の安孫子屋。相撲取りの駒形茂兵衛は、店の前での喧嘩を収めます。その様子を宿の2階から見ていた酌婦のお蔦は、一文無しの茂兵衛に手持ちの金子などを与え、いつか立派な横綱になるようにと励ますと、茂兵衛はお蔦の名前を胸に刻み、何度も礼を言いながら立ち去ります。それから10年の歳月が経ち、茂兵衛は凄みのある渡世人に、お蔦は船印彫師の辰三郎と一緒になり、娘ととに侘しく暮らしていました。辰三郎は博打でいかさまをしたため長い間行方知れずで、この土地の顔役である波一里儀十たちに追われる身。そこへ茂兵衛が現れ、お蔦の記憶が蘇り…。

  時の流れに翻弄されるなか、人と人との心の触れ合いを描いた、新歌舞伎の名作をお楽しみいただきます。

 

一本刀土俵入り、めちゃくちゃ好きだった( *´ω`* )/

イヤホンガイドでも筋書でも触れられる理由の分かる長谷川伸さんの温かい物語!

長谷川伸さんのお話されるんだったらまた見にいこうって思いました!

 

矢切の渡し - 一般社団法人松戸市観光協会 公式ホームページ

歌舞伎見るようになって良かったと思うのは下町の地名やら色々知っていることがあること!

矢切の渡しは何度も乗ってるから渡しの舟が出てくるとリアルに経験思い出せるから楽しい!

下総とか利根川とか残る名称もあるものね。

 

猿弥さんの弥八が一番十年の差を感じたかなぁ。

本質変わらないのに姿は立派になってるの。

弥八がいるから茂兵衛の差が引き立ちますよね。

あんなに立派になってるのに力士が怖いという虎馬植え付けてるの。

 

歌六さん半端ない渋さじゃない?
やばい格好いいんですけど
悪者(話的に)はあのくらいの声で雰囲気あると時めき方が違いますよね〜
ファーーーーーーってなる格好良さ凄い好き

歌六さんの波一里儀十がとっても素敵で!

声の低さも親分感も今すごく聞きたかった悪役っぽい声で、

初っ端一声でひゅーんとおちるだけだった(笑)

今すごく聞きたかった悪役というのは正確には大友龍三郎さんのような悪役なのだけど

あの明らかにどう考えても格上のヤバい人という悪役がよくて

歌六さんの波一里儀十は正に悪役たる悪役で好きです!!

存在感も大きくて部下たちから尽くされてるのも好きでした!!

いやぁ突き詰めてらっしゃるから格好いいんですよね~

それにお話的にはやられないといけないわけですが波一里儀十って悪い人じゃないんだもの。

当然のことしてるだけだから悪役にされてるくらいの感じですよね。

この物語、悪役がはっきりしないあたりも好きです。

 

お蔓に話す松也さんはんぱないイケメン枠じゃん!
まじ格好いいやつじゃん!
これファンなら見ないでおくまじか!

松也さんの堀下根吉、これはズルいくらい格好良い役じゃないでしょうか?

全体を俯瞰しててよく物事を見ながら動いて、

(茂兵衛に適当な見当つけていちゃもん付けてしまったことを謝る)

おいしいとこ掻っ攫っていくし、

(出てるシーン主張しないのにスポットライト当たって大体おいしい)

頭が切れるから頼りにされるし、

(茂兵衛と波一里儀十が丸腰で戦おうとした時、さり気なくいて懐刀で斬りかかる)

腰掛けて話し出す時のポージングめっちゃ格好良いし、

(このシーン写真出ますよね?出なかったらなんで?って感じ)

私は元々こういう役に弱いけど冷静に見て格好良いんじゃないかと思う!ズルい!

ちょっと違うとこもあるけど俺様ティーチャーの河内みたいです。

とは言ってもツンっと押されて瞬殺なのですけど。

 

巳之助若船頭のポケーっと具合可愛い〜
でも大丈夫なのか〜
でもお仕事出来るっぽいし、優しそうだし、サイコロころころしちゃうし…
これは狙ってる可愛いなのか…!
もう全然狙ってても余裕で可愛いに同意するし、

かわいい沼に鰯よろしく飛び込んでいくわ〜!

メモのテンション。

一部分過ぎる・端的すぎる呟きと呟いたけどそれが呟きというものですよね、知ってた。

サイコロをコロコロ転がす巳之助さんの若船頭がかわいい(´∩ω∩`)

というのは倒置法で、全部見たら若船頭はサイコロ可愛いが浮かぶというもの。

ぽけーっとへろへろとしてる登場でも

仕事ちゃあんとしてていい船頭になるんだろうなぁと思える。

茂兵衛の問いをきちんと聞いて、きちんと答える。

船頭も船大工も同じく茂兵衛の問いをきちんと聞いて、きちんと答える。

皆優しい。

どんつくのおかげでこういった役にハマりやすくなったんではないかと思う(笑)

矢切の渡しは観光用だから歌ってくれるんだけど本当に唄ったりするのかな?

サイコロに戻るけどこのサイコロ持ってたりして波一里儀十たちに疑われちゃうんじゃないの??

と地味に心配したので無問題で良かったです。

 

全身茶色の用心棒の剣士(河岸山鬼一郎)、

登場時にやばい格好いい…という雰囲気があってテンション上がってたのに、

イヤホンガイドと光景が釣り合ってなくて

これはァ雰囲気格好いいだったのかァ…!となるやつ。

まず初めに言いたいのは私がやばい格好いい…と語彙なく思ったのは

一番最初に波一里儀十の後ろに控えた河岸山鬼一郎が話した時です、多分。

ひゃーーーカルガモレースの超カルガモのカウボーイ的な格好良さ!!と思って。

ただならぬ格好良さ…!となりました。

最後の波一里儀十一味がかかっていく時になってイヤホンガイドが説明してくれたんだけど

その時には瞬殺で倒されてしまうので(笑)


凄い可愛い幸四郎茂兵衛。

愛嬌があって、もったりとしてるといえばそうなのだけど優しくて力持ち(強い)。

去っていくのを見守るお蔓。何度も振り返る茂兵衛。

お金が無くなってしまい、水を飲んで腹を満たしていた茂兵衛に

足しにはなるだろうと色々あげるわけです。

(かんざしを渡すシーンはラプンツェルみたい)

その様子を宿の2階から見ていた酌婦のお蔦は、一文無しの茂兵衛に手持ちの金子などを与え、いつか立派な横綱になるようにと励ますと、茂兵衛はお蔦の名前を胸に刻み、何度も礼を言いながら立ち去ります。

(三階は花道が見えないけど)花道で何度も聞こえる感謝の言葉と

お蔦が「あの人まだこっち向いて~」というので劇場の目に見える範囲を超えて

遠く米粒のように見えるお蔦に何度も何度も感謝を伝え続ける茂兵衛の姿が見えるのです。

自分にかかってきたので川に落としてしまったけれど鰯は泳げたか?と心配する心優しき茂兵衛。

十年後の茂兵衛はすっかり渋い口調、ほやほやとした面影なく別人のよう。

お蔦の家族を恩ゆえに救う茂兵衛にやっと思い出したお蔦が感謝を伝えながら花道を逃げていく。

茂兵衛はお蔦のようにお蔦のことを何とは言わないけれど逃げていく姿を温かく見守っている。

 

花道と舞台というのがとても印象深い舞台という印象があります。

一度しか見てないから記憶違いやモレあると思うんだけど

見送るお蔦と進む茂兵衛

逃げる辰三郎

見送る茂兵衛と逃げるお蔦一家

 (無印が舞台にとどまる人、下線が花道進んでいく人)

繰り返しはあると姿が被っていいですよね。リプライズ。

 

辰三郎は悪いじゃん~から入る印象。

謝る通りひどいと思うとこもあるんだけど

イカサマをしたのはお蔦のとこへ戻ろうとしたからというので

方法は悪いし、しちゃいけないことだけれど…といって流せもしないか。

ん~

でもお蔦さんもお君ちゃんもお父さん待っててあんなに喜んでるの見たらなんも言えない。

十年でこれだけ違う光景が見えるんだもの。

辰三郎が今後改めてお蔦とお君と幸せに過ごせる夢じゃないsomewhere展開夢見たい。

 

私、猿之助さんも初見で。

もう比較的すぐ嗚呼~なんで私は奴道成寺見逃してるんだと思いました。

いや、見られなかっただけなんだけどねじ込むべきだったと。

太陽っぽい印象と月っぽい印象ってあると思うんだけど

猿之助さんは太陽なんだろうと勝手に思ってましたがこれはそうでもないですね。

月だとも思わないけれど、そうならば尚更。

三谷幸喜さんがコメディアンの素質があるだっけかな、NHKの番組で猿之助さんを評されてました。

間や雰囲気がそうさせるんだろうか?自然に笑ってしまう空気があったけれど

これ他の役者さんがされたらそうでなかったりするんじゃないのかなぁ?

 

私はCATSというミュージカルが好きなんだけどいまいちグリザベラが分からない。

お蔦という女性を見ていると酔いの勢いでしたこととはいえ

酔ってしてるなら本質なんじゃないかと思うわけです。

茂兵衛が聞き出す時だかにあまりよく言われていないところあったけれど

茂兵衛を中心にお蔦を見るこの物語でお蔦の優しさに触れない人はいないと思います。

これはジーザス・クライスト=スーパースターのマリア見た時より

一部分だけを見てしまっているんじゃないか、などと思います。

何か一要素でお蔦という人が気になったというよりは関わる方々の均衡というか塩梅からなんだろうか。