珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

森鴎外の翻訳作品集 朗読『女の決闘』

森鴎外の翻訳作品集」十回~十二回

オイレンベルク ヘルベルト『女の決闘』

朗読:山口勝平

テキスト:「森鴎外全集 12」(筑摩書房ちくま文庫) 1996年)

NHKラジオ第2 朗読ページ

http://www.nhk.or.jp/r2bunka/roudoku/1410.html

http://www.nhk.or.jp/r2/

聞くならば右上の「いますぐ聞く」、このページの下の方にある“らじるらじる”から。

青空文庫 オイレンベルク ヘルベルト『女の決闘』

http://www.aozora.gr.jp/cards/001193/card50915.html

感想(印象)とメモです。

ネタバレです。

よろしいでしょうか?

森鴎外全集 12」 女の決闘 (10)

女学生の受け取った手紙の朗読の時点で、

手紙を書いた妻が言っている体で聞くことが出来ました。

多少声の高さが高いとは言えますが、声の高低では全く説明されない・要素が足りない。

聞いていて女性らしいと思うのです、それもマダムのプライドが見えるような。

そのあとにマダムが話し、女学生が話すとこあるけれど

2人の会話を聞いていると、ちゃんと2人で違う。

それで女性の声じゃないけど女性らしさを感ずる声ってことなのです。

特別声を作っているわけではなく思えるのです。

そこが面白いですね^^*何がそう感じさせるのだろう?

女性だと思うのです。

で、こういう時思う。

女性の引き出しはどこにあるんでしょうね?

男性はまだ男性の想像がつくかもしれないなと思うわけです。

でも男性は女性にはならないんじゃないかなと思うのです。

そうした時はイメージする女性を表現されているのかな?

だとしたらマダムを想像させる声の想像が凄い気がします。

私はどういうことなんだろう?とひたすら不思議に思います。

翻訳読んでいてふと思ったのは「~る。」が続くなと。

最後にあまり同じ結びを使いすぎると気持ち悪くなるというのがあると思います。

けど鴎外の訳は例え同じ結びが続こうと読んでいてそれが気持ちいいとも言えると思いました。

違和感より気持ち良さ。

だから凄いなと思いました!

セコンド

→ 時間の秒。また、時計の秒針。

(2014/10/17)

森鴎外全集 12」 女の決闘 (11)

オイレンベルクさんがそうなのか、鴎外がそうなのか分からないですけれども

色に鋭い感じがします。

文章から想像する絵の色が印象的だなと思えます。

灰色の草原に白樺がある、なんて気持ちを視覚的に伝えてくれるようです。

「今血が出てしまって死ぬるのだ」

女学生の声でしょうか?女性らしいなと思うのです。

妻も女学生も何故撃ち合わなければならなかったのだろう?

夫である男や生活は自身の命を捨てるほどのものだろうか?

私はやっぱり命ってのはそんなに軽いものではないんじゃないかなと思うわけですけれども。

こう、血が流れている時点で大分ドロドロしているはずなのに

どこかドライで冷淡に物事を見つめている為か、

気持ち悪いという感情を持たないのです。

でも何かそれも恐いものですよね。

「正当な決闘であったなら~名誉を損ずるものではない」

これが良く分からないです。

正当な決闘であったなら?そういう世の中?

これは単純に私が知らないだけだと思いますが名誉ってなんだろう?

そういえば調べていませんでしたがオイレンベルクさんは女性だろうか?

ヘルベルト・オイレンベルク

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF

男性だ!

劇作家なのですね~

比喩が多いなぁというのはずっと思っていました…

全然似ていないんですけど頭の隅にシェイクスピアが浮かんでいたはいたんです。

丁寧すぎる比喩のせいですかね?

押丁(おうてい)

→旧監獄官制で、看守長や看守を補佐した下級の職。

抑留(よくりゅう)

→逮捕に引き続く身柄の拘束で、比較的短期のもの。

(2014/10/20)

森鴎外全集 12」 女の決闘 (12)

妻の言っていることの意味は分かっているつもりだけど、

読んでいる私は意味が分からないなと思うことがあります。

御尊敬?

名誉というのは正妻であることかなと思いました。

昨日の感想を文字にしていても今日の朗読を聞いていても思いますが

自分の無知さが暴かれるような気がします(笑)

この妻の考え方と私自身の考えの相違を分かった上でも

それでもやはり自分は無知だと思います。

「~まい。」が多いです。

否定の表現で合っているのかな?

多いですね。

特に印象的だなと思ったのは最後の一文の

「~、それが教えられずにしまいました。」

昨日書いてないっぽいので…

この妻には夫以外に子供がいるんですよね。

このひとは妻であり、母であり、一人の女性でもある。

ただ読んでいるだけの私も

もし問題が机に高く積まれた書類の山だったならバサァと思いきり当たって崩したい気分です。

我慾(がよく)

→自分一人の利益・満足だけを求める気持ち。

毫光(ごうこう)

→仏の眉間(みけん)の白毫(びゃくごう)から四方に出る細い光。仏の智慧にたとえられる。

(2014/10/21)