珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

舞台 夕-2019/08/08-

2019/08/08(木)ソワレ
シアターサンモール

 

脚本:宅間孝行
演出:田邊俊喜
 
 
■出演
相川元弥:伊崎右典
三上夕:石井美絵子
塩屋憲太郎:時人
相川雅弥:國島直希
三上波:水原ゆき
宇津見緑:酒井萌衣
徳永さん:菅野勇城
坂田:大川慶吾
ガリバー:坂本康太
三上静子:八福☆みずほ
相川欣弥:中村祐志
相川登:三又又三 
相川浩子:篠原あさみ

あらすじ

 AKB ではなくおニャン子バイキングではなくいいともiPod ではなくカセットテープ
Apple ではなく、みかん箱....そんな古き良き1980年代の長崎から物語は始まる。

舞台は長崎のとある町にある海の家兼民宿「あいかわ」そこに住むヤンキー兄弟、相川欣弥、元弥、雅弥の3 人。地元では「長崎のキングギドラ」の異名で恐れられていた。
そして、底抜けに明るくて底抜けにおバカな次男坊、元弥こと「もっちゃん」に淡い恋心を寄せる隣に住む幼馴染の三上夕。伝えたいけど伝えられない青春の片想い真っ只中!! でも、そんな想いを知らない元弥はよりにもよって夕の親友である高橋薫に夢中。そんでもって薫はというと元弥の親友の塩屋憲太郎に恋をしてしまっているもんだからもう大変!なんとまあ綺麗な四角関係!そして、青春時代の甘酸っぱい想いを抱えたまま大人になっていく夕たち。それぞれの初恋はどんな結末を迎えるのか、伝えきれず言葉に出来なかった想いの行方は...

一見どこにでも、誰にでも経験のあるような青春ラブストーリー。しかし、最後は思いも寄らぬ衝撃の展開!感動の嵐!!

この作品を見終わったあとのあなたはきっと、大切な人に大切な言葉を伝えたくなることでしょう。最後はそんな気持ちにさせてくれる最高に切ない、最高の夏の物語‘夕。

舞台『夕-ゆう-』公式サイト

 

 

以下ネタバレです。

 


行ってみて驚いた!

あれ?こんな前だっけ??

 

舞台「夕」観てきました(*´ω`*)
80年代のお話と聞いて分からないことが多いんじゃないかと思いましたが、

人が人を大切にしようと思い合う気持ちは不変でした。

生きているうちに出会う“どうしようもないこと”に向き合える貴重な時間です。

https://www.instagram.com/p/B052pt1A_vC/

#舞台夕

日本の80年代のネタはピンとこないだろなと思っていたけど

別に多分90年代でも分かるわけじゃないし、

お話でいえばずっと昔を題材にしてるものは沢山あるから杞憂だった(笑)

 

ラストシーン見ていたら

頭に“思い出に抱かれる”という言葉が浮かんできました。

私の中で近いかなと思うのは

ハリーポッターが母の愛を受けて生き残ったというのかな?

亡くなっても息づく愛に包まれているような温かさ。

 

この作品が生まれた経緯はどこかにのっているんだろうか?

リアルに検索してまだ見つけてない。

どういう思いを伝えたくて生まれたのかなぁ〜と気になる。

明かされてないことならばいいのだけど。

 

ドラマを見るというのがすごくハードルが高い。

何日の何時から何時までテレビの前にいるか、

録画してきちんと後で見るかをする。

それが出来ないのでドラマにハマるのは努力がいる。

なぁなぁじゃハマれない。
対して舞台は目の前に演じてる方がいるし、

その空間でその時間集中すればいいから私は好き。

これ思うのは五つ子のドラマを雰囲気で思い出したから。

けど私は内容をあまり知らないので似てるかなどが分からないんだけど。

 

菅野さんの徳永さん(役名)がいるからこそ

思い会えたことと生まれる思いの交差があり、

寄り添う立場によって苦しくも救いでもありました。
無償の愛だと思います。
地域の人でなく会社という別の関わり・社会からの繋がりである人が

あそこまで入り込んでいくのは並大抵のことではないですよね。

緑さんも地域の人ではないけれど

住まうことで地域の人となる。

徳永さんは役名に“さん”とついているように呼び名からも区切りがある。

 

「せからしか」という方言があったけど

放送中に出会いたかったラジオ“高田広ゆき”が

なかなかに鹿ラジオだったらしく

CD収録トークに「しかっぱしからしか」という

鹿づくしの方言がある〜と投稿があったの思い出しました(笑)

聞いてた時期的に懐かしい。

 

帰省する“故郷”というのが私にはないのだけれど

物理的に帰るのではなくても

精神的に最後の拠り所となるような場所や人、物というのは

とても大切だなぁと私自身、既に実感しているところですが

改めてその大切さを舞台を通して感じます。

でも故郷に羨ましさは全く無い。

別舞台でだけど現代の人は人と人の関わりが希薄というのがコメントされてた。

それは生まれ育つ環境にもよるのかな?と思うところ。
私は地域に見守られる=プライバシーがないと思えて落ち着かない。

そう思うのは人に溢れる首都で代替の関わりを求められるからかな?

一人じゃ生きていけないけれど人がいすぎるから一人でいたいのが私の故郷かもしれない。

 

舞台夕はカタルシスだなと思って、とても舞台らしい舞台だと思います。

 

当たり前に思うけれど両思いというのはすごいことです。

ものすごい数の人がいる中、なぜかお互いに思い合っているのだから

奇跡のような出来事に思える。

 

学生時代の友達が一緒に遊んでいる時にお土産を買っていくことがあった。

その理由がこの間大根を貰ったからというようなものだった。

当時、初めて出会った価値観だったから印象的。
地元のトレンドは誰々さん家の誰々がグレたとかだよ、何か目立ったことするとニュースになると聞いてそれも驚いた!

 

これも別舞台(パリのアメリカ人)の台詞ですが「愛は与えられるもの」それを思い返しました。

 

そして夕、薫、信子の3人組はドナ、ターニャ、ロージー(ドナ&ザ・ダイアモス)のように思えて

別舞台というかマンマ・ミーア!みたいだなって。

物語は全然違うけれど。

 

似てるとは思わないんですけど「アスペクツ・オブ・ラブ」聞きたくなりました。
Love changes everything。

 

 

全然関係ないんだけど徳永さんという役名を頭で読んでいると

「徳永です🎵」とメタルマクベスdisc2「炎の報告」冒頭が流れます🚃

 

旧暦七夕の時期に拝見できて嬉しい舞台でした。

人生は常に選択の連なりで、どんなに仲が良くても

人と人が相対する時に思いやりは必要不可欠だと思いました。

求めるものが違えば愛されても隣の芝生は青く思えるものなのだと感じます。

日々どうしようもないことに向き合いますが勿論納得は出来ません。

そういったものを浄化する、舞台らしい舞台だと思います。

この季節らしく、また観る人がどんな状況であっても

響く部分がある作品だと思いました。