珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

真・YOSHITSUNE-2019/04/26-

2019/04/26(金)ソワレ

CBGKシブゲキ!!

 

義経: 上仁樹

千里: 吉田翔

知盛: 小谷嘉一

廊姫: 佐藤友咲

鷲尾: 関修人

弁慶: 菅野勇城

忠信: 一之瀬嘉仁

泰衡: 坂本真

吉: 北村悠

白夜: 吉原秀幸

捨: 奥山敬人

幻行: 梶原航

時子: 杏さゆり

秀衡: 中神一保

まつ: 八福☆みずほ 

大姫: 西谷麻糸呂

政子: 三田悠希

徳子: 関谷真由

安徳天皇

宗盛: 石井康太

清宗: 金井勝実

知章: 渡部大稀

兼雅: 萩尾圭志

景時: 紅葉美緒

信盛: 田中稔 

教経: 田中晃平

頼朝: 鈴木翔音

アンサンブル: 港谷順、小原良太

 

滅ぼしたい相手にも、守りたい者が在るのなら。
俺は、全てを守れる者になりたい______


若き武将、源義経は、憧れている兄「源頼朝」の命を受けて、幼いみかど「安徳天皇」を救うために、平家討伐の旅に出た。敵の陣地に忍び込むと、そこにいたのは、「廊姫(ろうひめ)」という姫君。その姫は、義経の母と父の仇である「平清盛」との間に生まれた子だった。半分だけ血のつながった妹である「廊姫」。そして、その兄である敵方の武将「平知盛」。弱き者を守り、戦のない世を目指す義経は憎しみを超えて、敵を愛せるのか!? 

https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=50612

 

 

 

も~ここ二月くらいなんですが二度も体調崩しまして本当に悲しい。

真・YOSHITSUNEチケットもう一枚持ってたんだけど

当然行けないし、譲ることも出来ないし健康の大切さを感じました。

とはいうけど一公演見るチャンスがあっただけ有難いとも言えます。

貴重な一公演でした。でも悔しいいいよおおおおお。

 

 

誰しも何かを守るため心して戦いに身を置く。

平家と源氏の争いを経て“全てを守れるものになりたい”という義経の願いが

また新たな歯車となってしまうことに諸行無常の響きを感じてしまいます。

と見て思うのは確かです。

でも私残念なことに“義経”を知らない。

義経とはどういう人物なんだろう??

なぜそんなに義経は愛されるのか、未だに私はよく分からないなぁと思う。

 

藤原兼雅が廊姫に「廊姫…!どうしてあなたは廊姫なの!」と

(階下のロミオとバルコニーのジュリエットだけど台詞はジュリエットのものだから兼ねてて面白い)

ロミジュリのバルコニーの引用で“ああ平家と源氏も二項対立だなぁ”と思って。

ロミオとジュリエットヴェローナ大公は中立ですが、

平家と源氏に対して法皇は一権力であって穏やかじゃないよね。

そしてロミオとジュリエットなのは捨(木曽源氏・義仲の子)と大姫(源頼朝の子)と思います。

宝塚のロミオとジュリエットだとパリス一択じゃない?みたいなお話を聞いたことがある(笑)

宝塚じゃなくてもパリスと思う気持ちは普通に分かるよね、

ただジュリエットはロミオが好きなのだけれど。

政子、まつはキャピュレット夫人と乳母のように思える。

 

真YOSHITSUNEの取り上げられてる部分は無情と思っても静かな心がある気がする。

すっきりしてしまうのに恐れるほどです。

平家物語はやはり冒頭が全てを要約しているから、物語に常に含まれている。

やっぱり物語が残るだけあるのかもしれないし、口伝だから耳に心地よいのかもしれない。

はじめに結論があるという意味では葬式から始まり何をした人なのかを見ていくエビータと一緒じゃない?と言われて

ああそうなんかなぁなんて考える。

平家物語の冒頭が正に思い浮かぶクライマックスと思える。

平家物語はなんとなく道長の望月の歌もセットで思い浮かんでしまうなぁ。

 

知盛が仁左衛門さんの大物捕、ワンピース歌舞伎の白ひげのイメージだから

豪傑だという先入観がどうしてもあるんですが

小谷さんの知盛は名前にあるように知将とも思える一面お持ちの印象がある。

安徳天皇の存在によって皇族となった平家の中でも武士であるのを感じる知盛。

一族の意見が割れようともなだめ、双方の意見を聞く懐の深さを感じます。

 

前作のYOSHITSUNEの時、調べてて気になってた奥州藤原氏と源氏の関係。

ちょっぴり前作でも秀衡が匂わせる程度、あれ?方向性が違う?と思う場面あったけれど

どうやって結末に行き着くんだろ思い浮かばないな…と思ってたのに

今回の流れほんと短いのにするりと繋がってしまうんだよね!ドキドキする!

戦乱の世ならば何を守りたいかが大事なんでしょうね。

奥州藤原氏は自分の収める領地とその民なんだろうなぁ。

 

ロミオとジュリエットからウエストサイドストーリー(ロミオとジュリエットをNYに置き換えた作品)を思い浮かべる

だから水の都ってSomewhere(現実では叶わなかった理想の世界)などと思ったり。

David Foster & Katharine McPhee - Somewhere (video) - YouTube

 

千里の殺陣?は水を得た魚とはこういうことか〜なんて思えるほど

実際殺陣がどうなのかは知らないけどめちゃくちゃ映えて見えるから

スピーディーでトリッキー、やんちゃに飛び跳ねる動きの明るさ、魅せられますよね!

 

前回も思ったけど弁慶の覚悟を決めた薙刀の動きは

戦いの切なさ、苦しさを越えて何を大切にすべきか・何を守るのかの一つの答えを感じます。

武器がどういう結果をもたらすのか、見据えてからの動きの始まり。

優しさが見えるから苦しいだろうなと憂えてしまいます。

 

機会があって「勧進帳」観てきたんだけれど

義経一行が平泉を目指し逃避行。安宅の関所で富樫に疑われてしまう。

義経を助けようと弁慶は…というお話。

弁慶の機転や見得、お酒が好きなお茶目さ調子の良さ、

最後に飛び六方というあらゆる側面が見られる演目でした。

主君(義経)を助けたいという弁慶の思いが富樫をも動かすような、

弁慶はそういう真っ直ぐさがあってとてもとても格好良かったです!

勧進帳は時系列だと真YOSHITSUNEの後だなぁなんて思えたわけですが、

忠信が弁慶の守りたいものだったように勧進帳では義経が守りたいものであって誰も傷つけない。

色々混ざった弁慶の印象ですが優しく強くですね。

 

廊姫の名の由来がめちゃくちゃ好きです(´>ω<`)

いややっぱ違うか?と何度も思いはするんだけどロールパンナちゃんみある、と思う。

両家を繋ぐ者。

ライオンキング2を一人で表しているようなね^^*

 

頼朝は前回から大切にしたいのは“家族”ととても明確に定めてブレなくてそういうところが好きだなぁと思う!

勝手な想像だけれど戦乱の世じゃなければとても優しい家族思いの父なんじゃないかと思える。

とても嫌いにはなれないよね。

どうしてもしたいことを持っている人にはついていきやすい気がする、良くも悪くも。

 

戦いや“水の都”を舞台を通して見つめると、

先日観劇した『ユタと不思議な仲間たち』より「生きているって素晴らしい」が頭に流れてきて

死の先にではなく精一杯生きた先に理想を求めたいよねと思います。

生きているからこそ出来ることは沢山あるはず。

劇団四季:ユタと不思議な仲間たち:公開舞台稽古 - YouTube

 

保元の乱平治の乱で共に戦った源義朝平清盛も去ったのに後白河法皇は凄いね。

ご本人なのか背後にいる人々なのか権力へまっすぐ手を伸ばすね。

普段ここまで思い出すことがないからなんで平成から令和へ変わるニュースで

上皇”という言葉にそわそわしちゃうかっていう大本がここにある気がする。

退位の儀式で檜の台に三種の神器(剣、勾玉)が置かれてて、

YOSHITSUNEであったようにずっと引き継がれていると思うと

知り得ない昔を感じるような心地になる。

袋に包まれてるし本当にあるのか分からないけれど。

 

今まで見て救いようもなくドロドロしてると思ったのは

「アスペクツ・オブ・ラブ」で昼ドラを煮つめたみたいな作品ですがあくまでフィクション。

少しは事実もあるんだろうと思うと

源氏と平家、法皇の「てめぇのことばっかし考えやがって」具合はドロドロだよね、負の連鎖が続く。

 

石井さんの平宗盛はかねてから平家にはこういう側面があったんでは?という

想像のままの姿で悲しくも滅びる者と感じざるを得ない。

武士と言ったってみんながみんな武士なわけじゃないんだろうなぁと思うと

権力に物言わせるというか虎の威を借る狐ですけどもそういう人もいておかしくないだろうなと思っていました。

 

関さんを見られるのとても楽しみにしてたんですが

この可愛い声誰だろう?と思っていたら鷲尾さんの登場で結構びっくりしました!

そして一瞬で心の距離がぐいと近づく無邪気さ純真さ!

魅力的なキャラも関さんご自身も素敵だな〜と思いました!

 

 

考えても出てくるのはお話の感想です。

役者さん個々人というよりお話が気になる公演でした。

色々縛りがあるのだろうけどもっと削って簡略化されたものも見てみたいです。

というのはタイトルなのに義経がよく分かんないからです。

でも簡略化しても分かんないかもしれない(笑)