珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

スプーンの盾-2023/12/16-

12月16日(土)13:00

シアタークリエ

 

カレーム 山口勝平
ナポレオン 大塚明夫
マリー    日髙のり子
タレーラン 高木 渉

ピアノ    斎藤 龍
ヴァイオリン レイ・イワズミ    
チェロ    堀 沙也香
フルート    久保 順    
パーカッション 山下由紀子

 

ストーリー
フランス革命のあと
二人の無名の男が帝王となった。

一人は言わずと知れた皇帝ナポレオン・ボナパルト

そして、もう一人は料理の帝王と呼ばれるアントナン・カレーム

この時代
王侯貴族たちを料理で、饗(もてな)し説得する
いわゆる料理外交が頻繁に行われていた。

この物語は
料理の力で、血の一滴も流すことなくフランスを守った人々の
世界一美味しい戦争の物語。

youtu.be

シアタークリエ プレミア音楽朗読劇 VOICARION XVII ~スプーンの盾~ (tohostage.com)

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akane-akaruioto.hatenablog.com

 

「VOICARION XVII~スプーンの盾~」観てきました🇫🇷

2度目だったから印象の違いによっての奥深さを味わっています🥄余韻も前回とは違って面白い~~

 

ぐわーーーーかっぺいさんのカレームあまりにも良すぎる~~主人公ですわ😭何て満たされる!見たいと思ったものが見られるの心地よすぎて幸せ😂

あとやっぱり頭の中に前回見たかっぺいさんのナポレオンが浮かんできて作品を重ねる楽しさも味わえるの多層的~~🥧

ナポレオン見た時にカレーム見たいと思ったから今回東京唯一のカレーム回観たんですがいざ見てみるとナポレオン見たくなってくる🙈元々欲しかありませんが欲をいえばカレームとナポレオン同時に観たいです(笑)めっちゃ好き。

かっぺいさん日テレH×Hのフェイタンが気になったきっかけだからある意味主人公じゃなかったから気になったとも言えるんですが私みたいな人の方がどう考えても少ないだろうし…という思いを抱えながら圧倒的主人公を見て。(キャスティングのおかげで周囲からコナン…コナン…って聞こえたw)

 

カレームという役自体が料理によって満たされれば人は悪いことはしないし、幸せになる(=自分が作る料理で幸せにさせる)と信じるあたたかい人。かっぺいさんカレームの周りの照らし方は自然なのに暗くなりようがない力強さがあるよう!あの光を利用するタレーラン、ナポレオンは法則に反する心地の中を突き進んでるんだろうな。並大抵じゃない。強いよ。そりゃ皇帝になるわ。

 

スプーンの盾に描かれる仕事として料理をするあの一時間、一分、一秒で何をするのかみたいな緊迫感いいな~~と一幕冒頭で思い出しました。心地良いという感覚ではないんだけど何のために今私は何をすべきなのかを意識する感覚いいよね。私は好き。

途中カレームが慌てていると 貴方が慌ててるとリズムが合わなくなる。落ち着いて。とマリーに諭される場面。とても実感があって分かる~と思った。感情にブレあるリーダーだと動きづらいよね。

 

カテコから話しちゃうんだけど座席から一番近くに立ってらした日高さんの「ありがとうございました」のお声といいますかお人柄といいますか響きの美しさが半端じゃなくて😭あの美しさの前で太刀打ちできるものなど何もないんですわ。心が素直になるだけ。

 

今回のキャストさんは皆さんわりと身体表現される方々だったかと思いますが日高さんマリーも盲目であるから目を伏せてらしたのだと思う。視覚的要素は好みだけど私はとても好きなので嬉しいなぁ!

 

Carlos Vives - Colombia, Mi Encanto (From "Encanto"/Lyric Video) - YouTube

最近ミラベル見てこの曲聞いてるけど魅力を認め合った二人が魅力を誇りながら手を取り合い円を描くように踊る光景が浮かびます。前々からそうだけど私は視覚から得るものが多いから音楽も見て感じている部分が大きい。

朗読劇は耳で得る情報で物語が進んでいくけれど、目の前にキャストさんはいる。役の行動は観客の想像に委ねる方も、役の声(が示す行動)とと共に(全く同じ)身振り手振りをされる方もいる。どちらも素敵だけど私は生きている声をダメ押しで指し示す身体が見られるの楽しみだし好みです😂

 

かっぺいさんカレームがナポレオンのサーベルを首横にあてられてる緊迫した場面。明らかにかっぺいさんの首横には見えないサーベルがあった。あそこまで行動が見えてお声の示す行動と頭の中に広がる光景とがかっちりハマり合っている心地良さはなかなか味わえなくて嬉しさと共に沈みたい。これ少しでも違うと違和感が強すぎて話も何も入ってこなくなるからただただ楽しみにし続けられることがとても幸せ😂いつもかっぺいさんは挑み続けてらして本当に格好良い!

そもそも再演だったからお話を知っていてカレーム似合うだろうなと思ってチケット取って向かってるわけです。期待値が高い。それで実際公演を見て感動するのは期待どおりだったのではなく思い描けなかったお姿に出会えたからです。生ってすごいんだよね、そこで生まれるから。

 

前回のタレーラン小野大輔さんだったから見目の良いキザな言葉も似合う紳士に感じていたけども、高木さんのタレーランは審美眼と口の上手さで渡り歩いてきた(SOMのマックスのような)苦労人で全然印象が違って驚きました!

今までお話は好きだけど好きな役はないかなと思っていたのだけど高木さんのタレーランはめちゃくちゃ好きです。人間味あっていい~~😂カテコで高木さんが感情こもりすぎてしまったと仰っていたけど心の柔らかいところさらして人生共にしてるんだからそんなものじゃないだろか?好きです~!

狡猾な人であるし、生きるのに必死だった結果呼ばれた"裏切りのタレーラン"。心を開くことも少なかったろうし、周りに信じて貰えなかっただろうし、自分でも事実と受け止めていたんだろうけれど苦しいことは苦しいから孤軍奮闘絶望の中、なんてことなく現れたカレームの目映さったらなかったろうな😂

ところで私は高木さんのタレーラン好きですけどナポレオンも見たいです。絶対素敵だよね分かる。

 

大塚さんナポレオンは皇帝への道がタレーランだけでなく私にも見えた✴️

でも実際立場(に求められる人物像)と気質、才能、人柄は解離して孤独を極めてしまった男の切なさが強い。人としての魅力があるから上に立つのも分かってしまうんだよね。

大塚さんタレーランでも見てみたい。日高さんもカレームで見てみたい。

 

美味しんぼの中でも岡星さんが百合根を馬毛の漉し器で漉していくエピソードが印象的なんですがシルクで漉した砂糖、一晩水に浸けたアーモンドを馬毛で漉したアーモンドペーストが同じ理由で進研ゼミ的な嬉しさ💮

チャングムのどうしても死ぬ前に干し飯が食べたいお婆さんも忘れられない(鍋で煎ってもでない美味しさが天日干しの干し飯にはある=急がば回れ的な話だったはず)

 

フランス革命後や敗戦後の民衆の空気感は全く同じでなくともミュージカルパリのアメリカ人(この作品は第二次世界大戦後のパリ)冒頭が浮かぶ。酒場で出会うタレーランとナポレオンの空気感も。

 

「マリー」さりげなく呼びかけるカレームの声がえ…格好いいとなるお声なのも、「わああ💦どうしよう💦」といっぱいいっぱいになってる独り言がかわいいとなるのも(もしかしたら狙ってるかもだけど)自然に発しているお声にお人柄が見えるのであってかっぺいさんの持ち味そのものなのが刺さる!

ただ呼びかけるだけで格好良いってどういうことなの?って感じだけど実際ただ「マリー」と呼びかけるだけでああこの人(カレーム)のことをマリーはまた好きになっただろうなと思えるお声なの何気なさすぎる良さ。特別なエピソードだけでなく日々の信頼からマリーはカレームを大切にしたいのだろうなと。

カレームは思い入れはあれど執着はなく見えてカレームとマリーは一緒にいるけどお互い個であって尊重しあってる関係性がいい!

私だったら日高さんマリーが側にいてくれたら(意識しなくてもかわいらしく心地よいお声に)それだけで何でも頑張ろうくらいは思うよ。

 

かっぺいさんの秀吉、前回拝見したナポレオンが朗読されてない・座っている姿までも意識されてるものだったけどもカレームも椅子に足を揃えてちょこんと座っているのが誰よりも素直でまっすぐ生きているカレームそのものだなと思いました☺️

朗読していないで言えばタレーランが「メートルドテル(合ってる?)の才能もあるのか!」と言い出してナポレオンと会話している間、どんなコースを作り魅了するか立てている指の数だけ浮かぶ料理のアイディアを楽しそうに組み合わせているお顔が素敵だった🙈

話しているのはタレーランとナポレオンでそちらを見るし聞いている場面。実際に朗読している光景と同じく会話には加わっていないけれどそこにカレームはいる。話はせずともそこにはいる、目を引かないけれど"居る"を当たり前にされてるところがとても好きです。嘘がないから。

俳優さんでも、ダンサーさんでも、シンガーさんでも空間を把握されてて自身の有り様が客観視されてて有るように居る方見ると好きだなと思ってしまうなぁ。

最近見た人が思うであろう違和感を隠さずスルーせずに触れて心の引っかかりをなくしてくださる方も好きだなって気づいた(笑)

高木さんも隣にいらっしゃる大塚さん(ナポレオン)を見て話すことが多々あって。正直見かける度にときめいてました