珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

ミュージカルスクルージ-2022/12/20-

2022/12/20(火)マチネ

日生劇場

センターブロック

 

スタッフ

原作:チャールズ・ディケンズ
脚本・作曲・作詞:レスリー・ブリカッス
演出:井上尊晶

訳詞:岩谷時子
音楽監督:鎮守めぐみ
振付:前田清実
美術:横田あつみ
照明:塚本 悟
音響:山本浩一
衣裳:スー・ウィルミントン
衣裳コーディネート:沼田和子
ヘアメイク:佐藤裕子
指揮:森 亮平
演出助手:坂本聖子
舞台監督:中村貴彦


キャスト
スクルージ市村正親
ボブ・クラチット:武田真治
ハリー/若き日のスクルージ相葉裕樹
ヘレン/イザベル:実咲凜音 
ジェイコブ・マーレイ:安崎 求
クラチット夫人/過去のクリスマスの精霊:愛原実花
フェジウィッグ夫人:今 陽子
現在のクリスマスの精霊:今井清隆

フェジウィッグ/未来のクリスマスの精霊:阿部 裕
トム・ジェンキンス:神田恭兵
高橋ひろ
中西勝之
さけもとあきら
高木裕和
松岡雅祥
井口大地

家塚敦子
伽藍 琳
三木麻衣子
七瀬りりこ
横岡沙季
森田万貴
脇領真央

マーサー・クラチット:設楽乃愛 
ベリンダ・クラチット:佐々木咲華
ピーター・クラチット:重松俊吾
キャシー・クラチット:戸張 柚
タイニー・ティム:三田一颯
少年スクルージ長谷川悠
街の子ども:入内島悠平

<スウィング>
西垣秀隆
尾上菜摘

 

ストーリー
19世紀半ばのロンドン。クリスマス・イブを迎えた街は賛美歌が流れ、陽気な賑わいを見せていた。しかし、金貸しを営むスクルージはひたすら不機嫌だ。クリスマスなんか大嫌い。金、金、金!ドケチな彼は今宵も借金の取り立てに勤しみ、献金を拒み、人々に嫌われるばかり。
そんな彼のもとに深夜、かつての親友の亡霊とクリスマスの精霊たちが現れた。彼らはスクルージを過去、現在、未来の旅へと連れていく。幼い頃の楽しかったクリスマス、愛する人との幸せな日々と別れ、身近な人々の慎ましい暮らし、そして思いもよらない未来の自分…。
クリスマスの朝、スクルージは新たなスタートを決心する。
夢と希望、愛を胸に街へ向かい、おもちゃや七面鳥、「借金帳消し」のクリスマスプレゼントを人々に贈る。大切な人と心からクリスマスを祝うスクルージは、幸せな笑顔に満ちていた。

ミュージカル『スクルージ ~クリスマス・キャロル~』 | 【公式】ホリプロステージ|チケット情報・販売・購入・予約 (horipro-stage.jp)

 

 

昨年オリバー!が刺さりに刺さって同じディケンズ原作のスクルージ何がなんでも絶対観に行くぞと意気込んでました☺️

背景のセント・ポール大聖堂、ロンドンの街、たぶん同じような時代…やり直したいと願い実行するスクルージによる幸せいっぱいのエンドは心あたたまります🎄Merry Christmas!!

 

スクルージは緩急というより豹変といいますか、始まりと終わりの印象が別人の役。市村さんのスクルージはお金第一の厳しい人でありながら本当はわりと面白い人なのでは?と節々で感じられます。そしてその魅力が精霊に連れられていくうちに、変わりたいと行動に移した姿に溢れてる!

オリバー!のフェイギンでもそうでしたがあの何もないシンプルなステージでお一人、日生劇場中の観客が見つめる中で空気だけでなく雰囲気ごと率いてしまうの本当に凄い方だなとただただ思います!あんなこと出来るんだと体感出来るの貴重すぎる…今、生きててとってもラッキー🙌

差し出された手にスクルージが躊躇いながら手を伸ばす仕草、少年スクルージも同じ仕草で妹の手を取っていてあの少年の臆病さは変わらずに今のスクルージの中にいるんだと感じて一気に愛しい。

クリスマスキャロル読んでた時も思ったけどマーレイが忠告しに来てくれるんだからスクルージにそれだけの人徳があるってことなんだろなと。そうでなかったらクリスマスの精霊も導かないだろうし。

小説内では変わろうとしたスクルージの心が痛む描写がありますが、舞台では慣れないことをして恥素直になりきれない瞬間が見られます。小説舞台どちらにしてもスクルージであることに変わりはなくて身近で些細な心の機敏があるの、人間らしくて安心します。

 

「Consider yourself」で見たことある振りが「December the 25th」「Thank You Very Much! 」や市場の場面であったのは共通してるの?させてるの?って気になってる🤔

 

甥のハリーと青年スクルージを相葉さんが演じる…スクルージはこのダブらせるキャスティングがとても好き。スクルージが始めから嫌われ者だったわけではないこと、選択の過ちが分かりやすくていい~~!あと2役見られるのって単純に嬉しいだろうなって思う!

 

過去のクリスマスの精霊の愛原さんのお声が驚くほど心地良くてもう少し聞いていたかった!(プラネタリウムのナレーションとかで聞いてみたい…)役が違うにしてもクラチット夫人では精霊要素が見つからなくてただただ凄いなと思うだけ!!

 

お名前をよくお見かけするトム・ジェンキンス役の神田さん、聞き取りやすくてスッと耳に入ってくる良い声🎵どうりでお見かけするわけだなぁと感じます!「Thank you very much 」が最初から「サンキューベリーマッチ」と片仮名で聞こえていてこそ1幕で言葉に馴染めたんだと振り返って思うところです。

 

演出がここまでは珍しいなと思うくらいにアナログ。映像演出はない。現在のクリスマスの精霊とのお散歩なんて映像ありそうな感じなのにない!そこが私は好きです☺️セットの移り変わりが流れるように鮮やかでスクルージの部屋になる場面がいい~~

 

「Thank you very much 」最初に聞く場面はなんてエグいんだとてもとても良い曲なのにそれが怖く映る…と思ったけれど場面も意味合いも変わった終わり間近の「Thank you very much 」幸せを味わう時間でこんなにも印象が変わるんだなぁとしみじみ。