珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

ジェイミー-2021/08/21-

2021/08/21(土)ソワレ

東京建物Brillia HALL

 

<スタッフ>
音楽:ダン・ギレスピー・セルズ
作:トム・マックレ
 
日本版演出・振付:ジェフリー・ペイジ
翻訳・訳詞:福田響志
音楽監督前嶋康明
美術:石原敬
照明:奥野友康
音響:山本浩一
映像:石田肇
衣裳:十川ヒロコ
ヘアメイク:宮内宏明
歌唱指導:高城奈月子
演出補:元吉庸泰
稽古ピアノ:太田裕子
演出助手:河合範子
振付助手:鎌田真梨  
舞台監督:幸光順平

宣伝美術:野寺尚子
宣伝写真:HIRO KIMURA
宣伝ポージング(ジェイミー):FUMIHITO
バルーン制作:家泉あづさ
宣伝衣裳:十川ヒロコ
宣伝ヘアメイク:沓掛倫雄(ジェイミー)、 真知子、 天野誠吾、 高原優子

 

<キャスト>
ジェイミー・ニュー:森崎ウィン
マーガレット・ニュー:安蘭けい
プリティ:山口乃々華
ディーン・パクストン:矢部昌暉(DISH//)

ファティマ:伊藤かの子
ミッキー:太田将熙
イード:川原一馬
サイ:小西詠斗
ベックス:鈴木瑛美子
ヴィッキー:田野優花
ベッカ:フランク莉奈
リーバイ:MAOTO

ミス・ヘッジ:実咲凜音

イカ・バージン:泉見洋平
トレイ・ソフィスティケイ:永野亮比己

レイ:保坂知寿
ジェイミー父/サンドラ・ボロック:今井清隆
ヒューゴ/ロコシャネル:石川 禅

 

youtu.be

ミュージカル『ジェイミー』 | 【公式】ホリプロステージ|チケット情報・販売・購入・予約 (horipro-stage.jp)

 

horipro-stage.jp

spice.eplus.jp

最初に言っておくと私は私の経験を用いてしか想像が出来ません。そこを超えてくるジェイミーのお話はどれだけ調べて補っても今現在の答えを見つけられずにいます。

調べてしまってからでは知らない感想は残らないと思い、先に感想そして調べるという回りくどい手順を踏んでみました。

 

 

 

舞台デザインと衣装

もう一つパンフレットの中で衣装についてなぜこのデザインなのか紹介があってなかなか気がつけないところ少しだけでもこだわりを伺えるの嬉しい!!

ジェイミー・ニュー

男子より女子と一緒にいる方が心地よさそう人は見たことあるけれどジェイミーはどちらにも居心地の良い場所はなさそうでプリティといる時は心が自由でいられるような気がします。
こういう見て欲しい(理解して欲しい)願望を持っている人は少なくないのかな?周りに合わせる、それも大切なことだと思うけど何でもやり過ぎは良くないよね。

森崎ウィンさん

見たことがないにも関わらずあまりにも素直に見たことがある感覚になりました。身近にいると感じさせる雰囲気があって驚きです!身近にいるといっても感覚は女の子の友達。これは役というよりウィンさんご自身が華があるからつい気になってしまいます。笑顔も素なのだろうけれどその奥に繊細さが潜んでいそうな気もする。台詞を発するたびに思うんですが間が絶妙でこちらがついくすっと笑ってしまうような明るさで楽しませ上手なのは森崎さんのジェイミーのらしさだと感じます。

 

マーガレット・ニュー:安蘭けいさん

こういうこと言ったらあれなんですけどものすごく私の母に似ているなぁと思いました。今まで見てきた母役の中で一番私の母に近い。些細なことでも不安になる気持ちを支えるように肯定してくれるだからこそ前へ進める。いくらやりたいこととはいえ一人立ち向かえば心折れそうになることもある、そうした時に背中を押してくれるそんな強さと信じる心はどう考えても無条件の愛です。ジェイミーがドレスをリメイクしてお披露目した時、素敵だと褒めるレイとは違いマーガレットはジェイミーを心配していました。もっと器用な生き方・選択は絶対あるわけだけど口出しせず息子の選択を尊重する。それは誰にでも出来ることではないよね。そしてこれはジェイミーの物語がハッピーエンドだから肯定出来るのだとも思っています。
旦那さんから貰った大切にしているペンダントを売ってジェイミーに尽くす。これはビリーエリオットのお父さんが亡くなったお母さんのジュエリーを売ってビリーを支えたのを思い出します。過去を越えて今と向き合う。正直そんな簡単なことじゃないだろうし決断したとはいえ後悔もしたかもしれない、その苦しみを伴ったとしても大切な“我が子”なんですよね。

 

プリティ:山口乃々華さん

賢いと認めるのはシンプルに凄い!学校という小さな社会でプリティがディーンに言った誰もが構ってくれる関係性の終わり。日常をおくる中でも良い大人なのに1歩外へ出たら通用しない関係性や立場を誇ってキレてる方よくいます。弱い立場の前でしか自分を認められないのだとしたら悲しい。大切なことをきちんと伝えてあげる優しさ、それが聡いと思います。

 

ディーン・パクストン

目の前に存在しているけれど受け入れられない気持ち。自分の想定にはなかった人に触れて全てを素直に受け入れていると私は言えないなと思います。ここ今回一番考えてる。
色々な人が様々なものを大切にして生きてる。それに対してはなるべくそうだね!と共感していきたい、でも自分自身の好みや考えというものはあって共感しがたいこともあります。自分自身がかわいくて偏見や差別をしない私でありたいとは思うわけだけど日々Twitterや無作為に触れる情報からは私が想定しないことを議論していたり怒っていたりする。気づいていないことも沢山あるのだから偏見や差別してないとは言えません。バランスは曖昧で少し片寄って言葉が強くなれば批判になると思う。ディーンの周りの友達やプリティ、ジェイミーは粘って関わり合ってくれるから向き合えるのかも。それってかけがえがない。

矢部昌暉さん

手持ち無沙汰にジェイミーへ当たっていくんだけどそれと同時に内面の脆さをさらけ出すような危うさを持っていて心配になりました。ジェイミーにエスコートされて変わるきっかけになりそうな雰囲気があります。絶対根は優しさが詰まってるのに何かあったのかなぁ?と思ってしまう。

 

ファティマ:伊藤かの子さん

この子がいるから宗教うんぬんではなくプリティはプリティであるから浮いているのが分かります。


ベックス:鈴木瑛美子さん

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歌唱イベントから気になっていたんですけど見たら尚更気になっちゃう〜〜可愛いし、トークショーでのしっかりされてるところ頼りにしちゃう雰囲気あって好きです!


リーバイ:MAOTOさん

MAOTOさん、Dancing!!!で見てたのびっくり!

 

ミス・ヘッジ:実咲凜音さん

パリアメ、アンリからの「素敵な靴ですね」に「この靴少し痛いかも…?」と返した台詞を思い出します。人にはそれぞれ悩みがあるよね。あのハイヒールを脱いで等身大で向き合っている相手はどんな人なんだろう?ミス・ヘッジがとても可愛い方なのだと分かる場面です。ミスヘッジがどんな思いで授業されてるのか気になる。

 

トレイ・ソフィスティケイ(男性役U/S):永野亮比己さん

めっちゃ綺麗じゃない??

もういくら考えてもいややっぱり贔屓目では?と思うしファンだから事実そうなんだけど永野さんのトレイ見てすぐ美しいなと感じる!いやほんとすごい_(:3 」∠ )_
踊る永野さんが美しいのは知ってるし、だから好きなんだけどもその美しいと感じさせる所作に加えて上品系のトレイは落ち着いている雰囲気だから歌声もあっていてハマってらした…!ええええめちゃくちゃ素敵だった🙈
これまでに見てきた役とトレイを全てごっちゃにしてしまったけど“その美しい所作”はドラァグクイーンとしての美しい所作という意です。

 

イカ・バージン:泉見洋平さん

永遠の21歳…かわかわ🎀でも21歳だとしてもジェイミーのが若いんだよねライカの若いは成人してからすぐ、ジェイミーは学生のうちに行動にする。決断の早さを感じます。

 

ジェイミー父/サンドラ・ボロック:今井清隆さん

ジェイミー父は最後までジェイミーを理解出来ない。否定するのはどうかと思うんだけどああいう人はいる。ただそれが実の親というの本当に辛い。
悪口って言われ続けてると的を得た内容でなくてもとてもとてもしんどくなる。ジェイミーはこれから先、沢山勝手にぶつかってくる人にも出会うんだろうなと思うと心配になるし戦いなのだなと思います。

 

ヒューゴ/ロコシャネル:石川 禅さん

ロミジュリ3度目の観劇で父の気持ちって今まで想像したことなかったけどキャピュレット卿は全てを分かった上でジュリエットを愛していると歌う。その切なく温かい思いにボロボロに泣いた記憶があります。
ヒューゴは父ではなく伝説のドラァグクイーンであり、ジェイミーが物語を聞き憧れる人。あれヒューゴが自身のことを話したのは成り行きかもしれないけど前座で立てるように口利きしてあげると話してからジェイミーが出られないと言うんだろうなぁと先読みしてロコ・シャネルは来てくださったのかな?願望半分だけどそれくらいの深い優しさを感じる人ですよね。

父について母が嘘を付いていたことを知ったジェイミーは酒を飲みながら夜道をふらつく。格好のターゲットであるジェイミーは若者に殴られてしまう。そこへ助けようと飛び込んできたのがヒューゴ。共にバス停に座りながら話し合う内に全てを話さずとも経験値から父がドラァグクイーンに理解がなく母が父として嘘を付いていたことを見抜く。見抜いたことをジェイミーに言葉で確認することなく寄り添い励ますヒューゴ。その温かさは16歳で険しい道のりを歩みだしたジェイミーの眩さに心動かされた故に生まれているのだろうなと感じます。きっと他にも沢山のドラァグクイーン達が傷つくたびに励ましてきたのではないかと思うのだけどジェイミーは若いことやこれから先味わっていくだろうことも思い浮かんでの慈しみなのかもしれない。

 

 

ひとまず書き終わったので調べる

ドラァグクイーン

ドラァグはその定義において「ジェンダーのノーム(規範)を大げさに表現するパフォーマンス」とされており、とするならば、ドラァグとは「ジェンダーの不明確性を浮き彫りにするためにジェンダーアイデンティティを演じるパフォーマンス」なのだ。

 

「一般的にもアンダーグラウンドでもドラァグの活動の場では、パフォーマンスを通してジェンダーを祝福することで『ドラァグ=女装』という誤解を打破しようとしている」とチャイナはいう。「女性だってやるべき。誰がやっても良いのよ。ジェンダーを演じることが、文化に構築された通念に一石を投じることになるんだから」

 

ジョージー・ビー(Georgie Bee)もこれに賛同する。「ドラァグはみんなのためのもの。ジェンダーを大げさに演じるパフォーマンスは、誰にでもオープンなパフォーマンスの形なんだから」と。

 

ドラァグパフォーマートランスジェンダーの違いに困惑するひとも多い。「ドラァグに関する誤解のうち最も大きなものは『ドラァグパフォーマーは、女性というジェンダーを自認しているからドラァグクイーンになるのだ』というもの。でも実際はまったくそんなことはない」と、ロンドンでドラァグキングとして活動するアダム・オール(Adam All)は話す。「ドラァグジェンダーを演じるパフォーマンス。社会的なジェンダー受け入れ体制に疑問を投げかける手段として、社会的な局面でも政治的な局面でも、コメディ的手法としても挑発の手法としても使うことができるもの」とアダムはドラァグの本質を語る——ドラァグとは、社会で求められる「男性らしさ」や「女性らしさ」という理想像のパロディなのだ。

 

結局、ドラァグが男性のものかという議論は的外れだと言わざるを得ない。ドラァグは、男性らしさと女性らしさ双方にある「もろさ」を浮き彫りにするパフォーマンスであって、男性だけに認められたものではない。クリエイティビティを表現しながら、ジェンダーの境界線に疑問を投げかけるパフォーマンスなのだ。生物学的な性別で女性のクイーンを区別するということは、ドラァグがもともと打ち出そうとした破戒のメッセージに反することだ。ル・ポールも、最近の『Vulture』誌とのインタビューで、ドラァグのメッセージについてこう語っている。「ドラァグは今後もメインストリームになることはない。ドラァグは、メインストリームへのアンチテーゼなんだもの。いま世界が目にしている状態が、ドラァグが行き着けるメインストリームの高み。ここから本当の意味でのメインストリームになるなんてことは絶対に起こらない。ドラァグは『順応しない』という姿勢から生まれているんだから」と。

i-d.vice.com

読んでいるとダダ(ダダイストの方面)が浮かんできて調べてみたけどダダ自体が場所によってしている内容が違ってなんとも言えない💦ただジェンダーを演じるパフォーマンスで順応しないならダダっぽいと私は感じる。

kotobank.jp

 

ヒジャブ

www.f-tsunemi.com

www.f-tsunemi.com

私結構このヒジャブを付ける理由は分かるなぁと思う。好きな服着るのに何も悪いことないんだけど露出は望まない人を寄せつけるのは実際あると思うから。

最近みんなマスクつけるからマスクの下が隠されて気になるようになるだろうという話を見かけたけどやっぱ隠されたら気になるものかな?

 

 

劇場

ブリリア初だからそわそわしてたけど1階席の舞台から最後列までの距離がコンパクトすぎて驚きました!1階席だけ見て500席くらいと言われたら信じる(もっと席あるんだよね多分)前方だからかもですが響きがあんまり聞こえないのかもしれない。ストプレ合いそう。
ジェイミーの台詞自体がかなりテンポ早い(ビリーエリオットくらいだと感じたけどビリーエリオットも早くない?あのテンポが普通なの?)特に高校生は早い台詞歌詞が多いから聞こえない理由は音響だけではないのかなという気もします。
二度行っても視界も音響も特別困ることはなかった。この人の歌声ならこんなふうには聞こえないはずだから変だなと思わなくはないけど聞こえなくはない。これ聞こえてるならなんで聞こえてるのか気になる。色々と運が良かったのもあると思うけどどのあたりだと聞こえないとなるのかも気になる(けれど体験はしたくない)

立地がある一定の人にとってお馴染みなの良いよね(笑)