珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

アンドロマック-2022/10/23-

2022/10/23(日)マチネ

自由劇場

 

浅利演出事務所 公式サイト - アンドロマック2022年公演

作 ジャン・ラシーヌ  
翻 訳 宮島春彦
演 出 浅利慶太
 2022年再演版演出 野村玲子
装 置 金森 馨
照 明 吉井澄雄
コスチューム・デザイナー ルリ・落合
音 楽 松村禎三
美術監督 土屋茂昭

 

アンドロマック 野村玲子
ピリュス 阪本 篤
エルミオーヌ 坂本里咲
オレスト 近藤真行
ピラド 坂本岳大
クレオーヌ 田野聖子
セフィーズ 服部幸子
フェニックス 山口嘉三
オレストの部下 (兵士) 折井洋人、関 廣貴、高山裕生、政田洋平

 

幕が開く前に
トロイの王子パリスは、スパルタ国王メネラスの妃で“絶世の美女”と名高いエレーヌに横恋慕し、彼女をトロイへ連れ去った。これをギリシャ全土の恥と考えたメネラスの兄・アガメムノンは、エレーヌを取り戻すため、大軍を率いてトロイを包囲する。 有名なトロイ戦争の始まりである。
ギリシャ軍を率いるは、伝説の勇者アキレス。一方、迎え撃ったトロイ軍も、パリスの兄エクトールを中心に善戦するが、 ギリシャ軍が巡らせた“トロイの木馬”の謀にかかり、ついには攻略されてしまう。
エクトールはアキレスに討たれ、その妃アンドロマックと遺児アスティアナクスは、アキレスの息子ピリュス(エピール国王)の虜となった。 メネラスはピリュスの働きを讃え、娘のエルミオーヌを婚約者として彼に与える。
あらすじ
トロイ戦争にギリシャ軍として参戦したエピール国王ピリュスは、その武勲を讃えられ、スパルタ王より王女エルミオーヌを婚約者として与えられる。 ところが、彼は捕虜として連れ帰った敵方の妃アンドロマックに心を奪われ、ギリシャ軍の意向に背き、 その息子アスティアナクスともども宮殿内に匿っている。そこへ、ピリュスに対して広がるギリシャの不信と不満を収拾すべく、 今は亡きギリシャの総大将アガメムノンの息子オレストがピリュスのもとを訪れる。 表向きは、トロイ王家の血を引く遺児アスティアナクスを生贄として差し出させるのが訪問の理由だが、 オレストの心中は熱愛する従妹のエルミオーヌのことでいっぱいだ。
ピリュスはアンドロマックを愛するあまり、エルミオーヌとの婚礼を延ばし延ばしにしているが、 当のアンドロマックは、亡夫エクトールへの貞節を守り、彼の求愛を拒み続けている。

一方エルミオーヌは、ピリュスに裏切られた怒りと嫉妬のあまり、彼とアンドロマックの仲を引き裂こうと謀る。 そして、自分に思いを寄せるオレストを利用して恐ろしい復讐の企てに引き込んでいく。
自分の意に添わないアンドロマックに業を煮やしたピリュスは、遺児をギリシャに生贄として差し出し、エルミオーヌを妻にすると言い出す。アンドロマックは愛息の命乞いにエルミオーヌのもとへやって来るが、彼女が憎いアンドロマックの言葉に耳を貸すはずもない。 絶望したアンドロマックに残されたのは、ピリュスの慈悲にすがることだけ。 未練たっぷりのピリュスは、自分の妻になってくれるならエルミオーヌとの婚約を破棄し、アスティアナクスの命を助けようと申し出る。
愛息を守るために決断を迫られるアンドロマック。裏切りの憎悪に炎をたぎらせるエルミオーヌ。 国運を賭けて愛を選択するピリュス。思いがけない展開に混乱するオレスト。運命の歯車が回り、愛と復讐劇に意外な結末が訪れる……。

舞台『アンドロマック』――浅利慶太が託した「言葉」の物語 | 慶應塾生新聞オンライン (jukushin.com)

【公演レポート】浅利演出事務所『アンドロマック』 │ シアターウェブマガジン[カンフェティ] (confetti-web.com)

 

私は舞台を見ているからどう考えてもこの人の心は恋しているがゆえ話している台詞の内容と真反対の感情だと思える。また恋しているがゆえその人の言葉を信じてしまう盲目さ。頭ではすべき行動が分かっていても恋が心を惑わせる。

これでいて観終わった余韻が澄んでいるのは不思議だよね。

少し冷静になるとやば…と頭に浮かんでくるところ、言葉やお声の美しさ心地良さで洗い流して清廉すぎるほどの清らかさを心に呼びます。でも何考えても普通にやばいね(笑)なんでこんなに純粋さがあるんだろう。不思議やん。

 

古典劇ストプレは2015年オンディーヌまで遡らないと観ていないからか台詞の感覚が歌舞伎みたいだな~と思った。なんでか盛綱陣屋と菅原伝授手習鑑の寺子屋思い出す。アンドロマックが息子アスティアナクスを案じているからかな?

 

サウンド・オブ・ミュージックの幕と同じく額縁や部屋の中から見た空はなぜあんなにも開放的な魅力があるんだろう。一坪の海岸線みたい。

 

それぞれの従者たち、あそこまで主人の心に寄り添って経緯を忘れずお言葉紡ぐ姿が健気すぎて愛さずにはいられない。皆いい人~~中でもフェニックス人格者だよね。せっかく助言してもピリュス聞く耳持たないのに。陰で泣いてんじゃないかと心配になっちゃう。

 

私はエルミオーヌの可愛さが刺さる人間なのでとんでもない考えをしていても見た目、仕草、言葉の可愛らしさに目がくらんでまぁいいかと思っちゃう。オレストの肩叩いて分かるよって同情してあげたい(笑)と幕間思っていたから私も狂って気絶する運命なんだな…と悟った。

 

ピリュスのマント、絶対良い生地だと分かる。あれ実は川島織物セルコンですとか言われたらああやっぱりですか!となる感じ。さすが権力者。毎度マント翻して座るの大変だなと思いつつも素晴らしくキマってる✨格好良いから好きな俳優さんにはピリュスかオレストの衣装着てみて欲しさあります!

 

 

千秋楽おめでとうございます!

パンフレットで先に台詞が2~3ページ分あるって読んでしまったから気づいたけどもあの心地よい間だから分からないこともないし、難しいこともない。感情と言葉が真反対でもどちらが本心か分かるくらいの恋心。不思議な時間。