珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

ミュージカル東京ラブストーリー-2022/11/29-

2022/11/29(火)マチネ

東京建物Brillia HALL

1階センターブロック

 

スタッフ

原作:柴門ふみ東京ラブストーリー」(小学館「ビッグスピリッツコミックス」刊)

音楽:ジェイソン・ハウランド

脚本・歌詞:佐藤万里

演出:豊田めぐみ

 

美術:松井るみ

照明:柏倉淳一

音響:山本浩一

衣裳:十川ヒロコ

ヘアメイク:鎌田直樹

映像:栗山聡

振付:小池ミモザ

歌唱指導:ちあきしん

音楽監督補:村井一帆

振付助手:梶田留以

稽古ピアノ:森本夏生

演出助手:伴・眞里子

舞台監督:加藤高

 

空キャスト

永尾完治:柿澤勇人

赤名リカ:笹本玲奈

三上健一:廣瀬友祐

関口さとみ:夢咲ねね

長崎尚子:綺咲愛里

和賀夏樹:高島礼子

永野亮比己、引間文佳

新井希望、尾関晃輔、上條駿、今野晶乃、

咲良、高瀬育海、俵和也、照井裕隆、妃白ゆあ、

町屋美咲、安福毅、矢吹世奈、吉﨑裕哉

 

あらすじ

2018年春。愛媛・今治に本社のある『しまなみタオル』の東京支社に異動になった永尾完治は、アフリカ育ちの天真爛漫な女性・赤名リカと共に新プロジェクトを任される。 ある日、既に上京していた地元の高校の同級生・三上健一に会いに行くと、完治が高校時代から想いを寄せる、関口さとみもやって来た。 昔話で盛り上がりつつも、予想外の再会に動揺する完治。そこに突然、リカが現れた。......この夜、恋が動き出す。


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恋人たちの伝説

開演15分前

開演前に伝説の王女:引間さんのソロダンスが時折あるから早めに着席しといた方がいいと私は思います!このソロがまた美しくて身体で示せる全てをもって踊ってるのがときめくから絶対観ておくべき✨正直私はふわっとでも見てたからカンチのいない時も幸せを願っている姿=開演前の引間さんソロなわけでせ、切な…😢って泣いた。次見たらここから泣いちゃいそう。この開演前ソロ個人的には見えてる(see)のに見て(look)いない、意味を知りたいと思った時にはもう引き返せない(正確に言えばもう一度観れば振り返れる)そのもどかしさ含めてとても好き。大切なことに気づくのは後になってからというのがいい。

察しが悪いから私は愛媛でリカとカンチが再会するまで分からなかったけど気がつく人なら相当前に伝説の王女とリカの服が同じ赤だなって気づくんだろうな。カンチと付き合っていなくてもリカはカンチの幸せを祈っているんだと示される。なんとなく女性はもっと物事を分けて考える方が多い印象ではあるけれどリカのように関わる全ての人に分け隔てなく愛情を注げる方もいるんだろうなぁ。観劇時はその愛の大きさに感動したけれど2018年と現実的に考えると別れたのにいつまでも想ってるのかぁ…と考えはします。さとみに失礼な気がするし、カンチに対しても重いけどカンチが受け入れられる人ならそれは別にいいのかな?

旅人

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なんておいしい🙈冒頭だけで観に行く理由として充分じゃない??きっとこのデュエットは序曲でしょう?なら東京ラブストーリー要約なんだろうから大枠を見たようなものでは?とか過言すぎること言っちゃう(笑)それは流石になくても永野さんこんなに見られるとは思わなかった…というのと映ってるとはいえ見たいもの全て見られるわけではないので実際に全身、光景を見られる時がとても楽しみ🙌え、でもほんと凄くない?正直らしさをこんなに見られると思わなくて期待で胸高鳴ってる!

東京ラブストーリー稽古場動画 - 珈琲とmilkのパーセンテージ (hatenablog.com)

オープニングナンバー「恋人たちの伝説」は稽古場公開から分かっていたように見たい永野さんの踊りが詰まってる😭今回役名付きのダンサー枠なんだな~とは思ってましたけどこんなにおいしいとは聞いてない(笑)あまりにも永野さんのらしさが生きてるから1ナンバーで今日観に来て良かったなと早々に思いました🙏ありがとうございます!!

 

キャストさん別感想

永野亮比己さん

永野さんは伝説の旅人の他にも日比谷公園のベンチを駆けるリカをサポートしてくれるえんじベストのリーマン(まさかのリカと知り合いだった!)、そして社長役もされてる!!!いやだからダンサー枠だと思って行ったんですよ私は!台詞どころか結構大切な一役あると思わないじゃん?びっくりするわ~~🙌

永野さんが社長役だったというのもとても影響しますが東京ラブストーリー、上に立つ人が好き。信頼して責任を持つわ!と言える上司もそうですけど働く人を大切にする社長も好きだなぁ☺️まほろばのコンセプトを聞いた時から価格重視ではない宿ならしまなみタオルと相性がいいのでは??と感じてその通りになったから良かった!でもその通りになったのはカンチが今治タオルがどうやって作られているのか、どんな人に作られているのかをアピールするプレゼンが社長の考えと合致したからだよね!選択間違えてなくてホッとする。

あと蛇足ですがどんなところも少ない人員で合理的な働き方をして利益生み出そうとするってありがちだと思うんですけど本当に一分一秒何をするか考えなければならない瞬間以外は少し遠回りをしても試したり、考えたり、時間のかかることを出来る余裕ある環境の方がいいと私は思ってます。個人的な考えとも人・従業員を大切にするまほろば社長の考え方は合ってて好きです。

まほろば社長、女性二人客に写真撮ってもいいですか?に応じてるところが謎面白いの永野さん感じる(笑)個人的には公園の箒ギターもなかなかだなと🧹

吉﨑裕哉さん

吉﨑さんの"この街で生きる(尾関さんと対になってるところ)"曲線の肩の使い方が好きでとても印象深いです!三上にあいつのどこがいいんだ?と言われてた婚約者として出てくるから普通に驚く(多分ここだけど初めてお声聞いたから二重に驚き!)

公園の初々しいカップル。浮き立つ気持ちがシャガールのように表れている噴水前デュエット。ベンチを袖でごしごし拭いてから彼女を座らせる。ベンチに座る彼女を見て好意が溢れ緊張しそわそわし出す彼氏。息を吐いて座りお互いが近づいていくの、心理的な距離みたいでいいな~と思って。かわいい。

尾関晃輔さん

三上ナンバー、尾関さんいるんだなぁと稽古場で思ってたけどゲネプロ写真見たら女の子で驚いたよね(笑)知ってて見てしまってるから気づくけど知らずに見たら分からなかったりするのかな??

俵和也さん

パリアメのアダムもそうだったけどスタイリッシュなお衣装着こなして代官山のお店(バー?)でバーテンダーしてる俵さんほんとかっこいい✨シェイカー振るお姿から落ち着いた居心地の良さを提供されているんだろうなと感じる。しまなみタオルの社員とは印象が違うから不思議😊

 

小池ミモザさんの振付

舞台見てもああ好きと思うミモザさんの振付でした🙈稽古場からときめいてた人混みにのまれながら歩く振付が光景、あんなに分かりやすくシンプルに東京が見えることあるんだなと思って!(伝わるなら一番イメージしやすいのは大井町演出変更前のジェニエニナンバーのように)一直線に並んだ人々が回転扉の壁となって迫る。人の流れに従えば難しいことはないが逆らおうとすると途端にカンチのように進めなくなる。

実際に身体届く範囲を越えて開いた踊り、表現範囲の広い身体の使い方が好みだからミモザさんの振付ほんと好き🙈簡単に踊れる振付じゃないんじゃない気がするけど個々人の良さ光りつつ身体の美しさが際立つの素敵✨

 

舞台セット

セットがシンプル。パッと見てビル立ち並ぶ東京だったり、線の交差から弦楽器や模様でジンバブエ(イメージのアフリカ)を感じたり、鳥居と石灯籠でカンチの話す愛媛の海へ飛んだり。端的に場所を表していてスピーディーな展開出来るんだなぁなんて。恋人たちの伝説はジンバブエの星空と東京のビルのマリアージュかな。

 

東京

登場人物4人揃ったところで東京のお話だけど東京の人はいないんだなと思ったのに三上はリカが東京みたいと言う。私がいや、東京生まれ育ちですけど…と断りを入れたくなるのは長崎尚子さんのような人(イメージする都会の中心東京で生まれ育っている人)ではないと言いたいからであってリカではないけどなと思っちゃう。知らずに決めつけるのよくないけどリカはジンバブエではないの?

代官山もTwitter(好んで集まる狭い世界)みたいなものなのかな。故郷を離れてやってくるのだから東京へのやる気が違うのかも。私からすると故郷のが憧れですけど。私は故郷と呼べるのが東京なので(他人への関心が薄い)誰も知らない東京ってやっぱいいよね心地良いとかも思う。東京という場所は街の集まりだから5人がしっくりくるペアを見つけたように居心地良い街を探す場所ではあると思う。

ボボボーボ・ボーボボ

ショナ語に訳したら、めちゃくちゃめっちゃイイ!!!!って意味ですね(笑)

日本人にはちょっぴり発音がかわいくて恥ずかしい、ジンバブエの「ショナ語」を紹介! - Beautiful Sky∼せんせいあのね∼

確かめようがないけども。劇中で本当にボボボーボ・ボーボボだったからまんまだ…!と思った(笑)

 

ラブストーリー

リカがあまりにも力強くグイグイ引っ張っていくし、"カンチ"といきなりあだ名つけるから「I've Got Beginner's Luck」「Liza」を思い出して女性ジェリーみたく感じる。一緒にいて楽しい女性というの分かる~だからカンチはヒロインなんだなぁと思うわけだけど。

三上もティボルトみたいだ~と最初のうち思ったから付き合うことになった時、謎に良かったね😭という気持ちになる(笑)

三上とさとみ、リカとカンチは刺激的な恋人なんだろうとは思えどしっくりこない。さとみが店に入ってきた時、三上の前に尚子が現れた時、ピタリとはまるだろう相手というのはこういう人だなと傍目にはよく見えてる。リカが一人だなぁと思った部分さえ恋人の伝説で説明されていたのだから思うように収まっていくのが七並べのようにとてもすっきりエンドでした✨そう感じたのは勝手にアスペクツ・オブ・ラブ(ドロドロの昼ドラ展開)覚悟で行ったからもあるかも。

ドラマだと1時間×13回分もある物語を2時間半で集中して観られるの個人的には見やすくて好き。働き方とか気になってしまうところについては漫画でもドラマでもミュージカルでもそう変わらなさそうな気がしててフィクションだしなぁと思ってる。

東京ラブストーリーは何に一番感覚が近いか考えると個人的にはパリのアメリカ人。パリアメは第二次世界大戦直後のフランスに時代設定を定めていて今の感覚ではないからオーバーなダンスと感情表現が心の闇と冷え込みを吹き飛ばしてくれる光に感じると思っています。東京ラブストーリーは時代設定が2018年でコロナ禍前の日本で知りうる近しい時代なのに存在しないだろうと分かる人物設定(仕事中に外へ飛び出すとか)に対する反発はパリアメの比ではないかなという気はします。共感しがたさはあると思う。バブル期には出来たことなのかもしれないけど今ではとてもしがたいゆえにフィクションというのもあるかな。だから自分にとっての要点を摘まんでいく作品だと思っていました。

東京ラブストーリーは恋愛の物語ですけど私は恋愛を楽しみにしていたわけではなく最初から私はダンスを観に行くつもりでいたのもあるかもしれない。恋愛モノはダンス相性いいイメージあって実際相性良かったと思う。特にジンバブエの伝説の王女を踊りで表し、リカに重ねて悲恋だとしても愛する人間としての魅力は美しく表現されてるところが好きです。ただそれに共感するかといえば難しくなっちゃうよね。幸せくらい願うだろうけどいつまでも愛する人はあんまり多くない気がするし、ちょっと怖くもあるし。でもお話としてはありがちな女性像ではある。そのあたりを自分の中でどう受け止めるかは人それぞれなのかも。