珈琲とmilkのパーセンテージ

苦かったり甘かったりするので無機質の筆や箱で切り取ってみる。

ゴースト&レディ-2024/05/18-

2024/05/18(土)ソワレ

JR東日本四季劇場[秋](浜松町・竹芝)

キャストさん

フロー(フローレンス・ナイチンゲール) 真瀬 はるか

グレイ 萩原 隆匡

ジョン・ホール軍医長官 野中 万寿夫

デオン・ド・ボーモン 宮田 愛

アレックス・モートン 寺元 健一郎

エイミー 町島 智子

ウィリアム・ラッセル 長尾 哲平

ボブ 菱山 亮祐

【男性アンサンブル】

飯村 和也

安田 楓汰

澁谷 智也

白石 拓也

計倉 亘

権頭 雄太朗

渡部 斗希也

緑川 諒人

田邊 祐真

【女性アンサンブル】

鳥原 ゆきみ

菩提 行

あべ ゆき

大岡 紋

村田 繭菜

清水 智紗子

松山 育恵

馬場 杏奈

黒柳 安奈

STORY
時は19世紀。舞台はイギリス。
ドルーリー・レーン劇場に現れたのは、有名なシアターゴースト グレイ。芝居をこよなく愛し、裏切りにあって命を落とした元決闘代理人
そんなグレイのもとを一人の令嬢が訪ね、殺してほしいと懇願する。それは看護の道に強い使命感を抱くも、家族による職業への蔑みと反対にあって生きる意味を見失いかけていたフロー。最初は拒んだグレイだが、絶望の底まで落ちたら殺すという条件で彼女の願いを引き受ける。
死を覚悟したことでフローは信念をつらぬく決意をし、グレイとともにクリミアの野戦病院へ赴くことに。次第に絆を感じ始める2人だったが、そこで待っていたのは劣悪極まる環境と病院改革に奔走するフローを亡き者にしようと企む軍医の存在。さらにその傍らにはグレイと同じ、あるゴーストの姿が…。

ミュージカル『ゴースト&レディ』作品紹介 | 劇団四季【公式サイト】 (shiki.jp)

youtu.be

初演を見る

観劇日から日が経つにつれ、じわじわと今年一番の作品かもしれないと感じています(笑)実感が遅いんですがパッと見ていいだけでなく思い返して良い演目な気がしています。

初演ってあらゆる意味で今だけだな!好きなら今見ておかなければ!という気持ちが生まれますけども、変更するならどこ?と話し合うと物語好きとダンス好きではお互い変わるだろうと予想する場面が変わらないで欲しい好きな場面だったりして普通に剣をとれ⚔️でした(笑)

ダンス好きでもデオンのソロダンスは少し長く感じて減っちゃうかなと思ってたんですが、ジンのが長いよって言われたというお話。ジン削れないでしょ?グレイの恋する幸福含めて一生やってくれと思ったのに。

感想を読んでて自分が好きな役・キャラクターが現れるとそれだけで満足してしまう人間だというのを思い出します。キャッツなんて最たるものだよね、タガーを見てから世界が変わった✨原作読んだのが前とはいえ物語に関する感想が雑すぎてよくない。舞台だけ見ての感想としても物語をきちんと考えて違和感を感じるなどがあまりなかった。次こそはもう少し考えて観たいなと思います!

演出

映像

必ずしもこうであれと言うわけではないけど舞台においてまたひとつ好きな映像演出が増えました!

ゴーストアンドレディが漫画原作だからこそグレイがフローの家族の生霊を突く場面、あまりにも自然に影によって実体を持った生霊を感じたわけでときめいた✨制約がすごい…!どう考えても俳優さんだけではどうにもならない効果ですよね!立つ位置、動作や照明のタイミングがぴったりでないといけない厳しさがあります。これに関してはたぶん四季劇場で公演している強みが存分に出ていて何度も試行錯誤出来る環境がなければ成り立たないものでは?と思いました。

舞台セット、大道具

さっき話してて気づいたんだけど担架やテーブルなど様々なものに変わるあれはもしやミニ大八車ですか?ジャポじゃん…

鐘、S&D、フェス、ロボ庭あたりを思い出していた階段、二つ重ね合わせた時に舞台セットの表情が変わってマンマ・ミーア!だ…!と思いました。元々マンマの舞台セットが好きだから嬉しかった😂

トンネルがあることによって部屋や廊下など様々な状況に無理なく変わっていて好きすぎる~~

段々あ!この演出見たことある…となるわけですけど影絵はもう四季お家芸感がある😂でも今回は若グレイが飛び出してくる!鮮やかでびっくりしました(笑)

イリュージョン

今回イリュージョンによってこれでもか~~というくらい不思議なことが起こって最高です🙌笑

冒頭魂の視線誘導とかね、巧の技だよ最高!!USJのウォーターワールド、照明弾を上げて視線を上に引き付けておいて下で準備するとかあるけどそういう感じ。気づいたらいる…!の驚きを味わえる😂

患者が死の瀬戸際まで行くと身体と魂が分裂する演出、魂が死後の世界へ歩み出す視覚化がとてもとても素晴らしいなと思います😭誰も見たことがないけれどフローには幽霊が見えている特異さがよく分かって素敵でした!

背景、照明

そういえば私は劇場で見る青空がめちゃくちゃ好き…!

サウンド・オブ・ミュージックの幕、世田谷パブリックシアターの天井とかとても好き。天使のはしごだなんて光景がgo the distance☁️

音楽

寄り添うのではなく歌と音楽が分かれている感じの曲も多くて個人的には音楽の中間層が自由に遊んでるようなの楽しそうで聞いてて楽しい(笑)

デオンの低音がカルメンなのいい~~かっこいい!

調べてみてもハバネラも含んで出来たのがタンゴらしくてよく分からない(笑)でもリズムはカルメンのハバネラに聞こえる。

リズム聞いた時、作品のカルメンならデオンは闘牛士のイメージだったから(想像させるのはハバネラを歌っている)カルメンなんだな~というのが少し意外に思えました。なんとなくやっぱり女性なんだなという意識が強く残る気がする。でもハバネラって自由な?野性的な?カルメンの魅力が溢れてると思うけどそのリズムがデオンってなんなんだろう?勝手に考えるとあのリズム期待させるだけして解放されることがないから見れば見るほど魅力的なのにゴーストになっても"男として生きろ"の命令が残ったまま抑圧的だから?デオン、そもそも男として生きたいわけではなく、それしか知らない選択肢の少なさがあったように思える。だからといって女に憧れる前に亡くなったように見えるけれど。(聞き逃してますか?自信ないです)

https://ontomo-mag.com/article/column/shun-gakugo77/

そもそもイギリスの田舎ダンス=コントルダンスがハバネラの元みたいなのがあるらしい。ヨーロッパご近所だからかな?巡りますね(笑)

リバーダンスみたいな音楽も好きです!リバーダンスが何か分からないけど酒場で踊られてたと記憶(どうか酒場ダンス削らないでください!めちゃくちゃ好きです!)

ジン飲み比べの酒場、ティン・ホイッスル、フィドルコンサーティーナ(アコーディオン系だったような気がするけどおぼろげ)かなぁ。ティン・ホイッスル知らなくてピッコロみたいって思ってた。

ピッコロはアイルランド音楽で使えるか? | ケルトの笛ブログ

ただ思い出したというだけで特に何と主張したいわけではないのだけどグレイが歌う中にどぶろっく?と浮かぶとこある。なんか似てるような?

ダンス

ダンスは正直歌演目らしいからサウンド・オブ・ミュージックくらいの心持ちで、と思ってたんですが踊るじゃん~~!!

オリバー!とても好きなのでもう一度観たいけれどどう考えても再演するのが難しい演目ですよね💦分かってるからジンの場面、ウンパッパに見えてとても楽しく嬉しくなってジン買っちゃった!イギリスだからね😂顔仮面で隠してしまうから探そうと思うと大変ですが酒場は場面として満たされました!デオンの場面は全ていい!

私が勿体ないなと感じるのはゴーストたちです。ハムレットの王様とクリスマスキャロルのマーレイは衣装が動きづらいから仕方ないけども、ゴーストたちは動けそうな気がしてて写真から期待してたほど身体全体での振付でなくてなんかもう少し記号的でない振付で見てみたい。ゴーストの重力に縛られない自由さが見えるような振付駄目なんだろうか?四季俳優さん踊れるの分かってるから期待してしまうってのは勿論あります(笑)

キャストさん毎

フロー(フローレンス・ナイチンゲール) 真瀬 はるかさん

私が常に生きていこうと生きている人間だからか漫画原作を読んだ時から「殺してください」という願いがとても重く聞こえます。わりと死にたいと思っている方も多いと聞くのでそういう方はもしかしたらそういうこともあるよねと寄り添えるのでしょうか?私には寄り添えないから衝撃があります。その重い言葉の伝え方・発し方どう考えても難しいと思いますが物語上多分適するものだったんだと思う。個人的にはこの台詞を伝えていることがフロー役の凄いところだなと感じています。本当にお疲れさまです。

死を望むフローに対してグレイは契約を持ちかけるわけですけど、この関係を見ると昔私が何かを試さずに諦めようと口にしたら普段全肯定の祖父に「やってみなければ分からないだろう!」と怒られたのを思い出します(笑)その通りすぎるし、珍しく怒られたからびっくりしましたけどこれまた珍しく謝られなかったから私もまずは試してみようと思えた。祖父は私を信じてくれて発破をかけてくれていましたが、グレイは意図せず結果的に後押ししていたわけですよね?これも私が頑張りたいと思う時に頑張れと言って欲しい人間だから何も知らないグレイからの言葉を力に変えられるフローの気持ちの想像が出来たような気持ちになります。

なんとなく観劇する方は医療従事者が多い気がしていて…実際どうなんですかね?見かける感想はおおよそ最初に習うナイチンゲールに沿ってるといったものですけど。

グレイ 萩原 隆匡さん

グレイはヒロイン。キスで目覚めさせるとかそれはヒロイン。観客に抱かせる感情として一番深く刺さりこむのは"かわいい"という感情だと思いますね。かわいいって心を許してるやわらかいところに突き刺さるからね。こわいね。

萩原さんの最上級かわいいは個人的にロボ庭カトウ。カトウには心絞られますけど、グレイはシャーロットに会えるとなってさささっと髪の乱れ直す一仕草でかわいい瞬間最大値を叩き出してそれはそれで大変。なんなのかわいい🙈好き

萩原さんは格好良い。ただ格好良い上にかわいいのを記憶してるのに忘れるくらい格好良いというのも困ったものだよね。カトウやボビーを見た時もファンの方が心配になったけどグレイ見て皆さん無事なんでしょうか???

グレイ大変魅力的な役ではあるはずですが私は多分萩原さんの魅力を知りすぎていると思うところもあって泰純グレイも是非拝見してグレイの良さにもっと気づいていきたいなぁと思ってます🙌

ジョン・ホール軍医長官 野中 万寿夫さん

ジョン・ホール、もっと悪なのかと思ったら低い身分出身から医者になり出世したが強調されたお役だったかな!デオンに霊気を提供してる話は削って良かったんでしょうか?個人的にはジョン・ホールの霊気あっての成功は描いた方がいいのではないかと感じます。

デオン・ド・ボーモン 宮田 愛さん

宮田さんの何が好きって歌っていても身体が広がって空間の広さを感じられるところです!歌うだけ、踊るだけに留まらずどっちもなければ演じられない課されるものの多い役ですがこれ以上なく存在していたと思います😂かっこいい~~さらには殺陣までお上手なの拝見できてさらに好きになりました!

そういえばデオンの小さい剣、パッと見てミホーク…!と思ったけど普通にピーターパンかな?そういうんでもない?

私掠船【しりゃくせん】

特許私船とも。正規の艦隊には属さないが,国家の認可・命令・監督下に海軍旗を掲げ,他国の商船捕獲や時に軍艦襲撃を行う武装船。16―17世紀のヨーロッパ諸国にその例が多い。特に有名なものはエリザベス1世治下の英国におけるドレーク,ホーキンズらの私掠船隊である。彼らは女王から船を貸与され,その命令によりスペイン船を襲撃し,西インド諸島パナマ地峡のスペイン植民地にまで遠征し,時にはスペイン本国の港を攻撃した。他に仏・露・オランダなどでも同様の私掠船隊があった。しかし1856年クリミア戦争平和処理のパリ会議で採択されたパリ宣言(海上法の要義を確定する宣言)により禁止が決定された。

百科事典マイペディア より

私掠船(シリャクセン)とは? 意味や使い方 - コトバンク

私拿捕船/私掠船

イギリスでは、エリザベス1世の時代に、私拿捕船(私掠船ともいう)といって、政府から免許状を受けて海賊行為を行う船があった。特にスペイン船で新大陸との貿易船を襲撃して略奪をする私拿捕船が多かった。この私拿捕船の船長として最も有名なのがフランシス=ドレークである。彼は西インド諸島でスペイン船を襲っていたが、1577~80年には、マゼランに次ぐ2回目の(イギリス人としては初めて)世界周航を、途中スペイン船からの略奪をしながら、達成した。この航海は女王自身も出資し、ドレークのもたらした富は、60万ポンドという莫大な金額にのぼり、エリザベス女王は4700パーセントの配当金を得ていたという。またスペインの無敵艦隊を迎え撃ったときはイギリス艦隊の指揮官として活躍した。

ドレーク

イギリスとスペイン、私掠船を調べたら険悪でしたがそれがグレイとデオンにも表れてるのかな?

アレックス・モートン 寺元 健一郎さん

エイミー 町島 智子さん

アレックスとエイミーに対して私は結構すんなりそうだろうなって受け入れられる。これなんとなくLa La Landエンドをハッピーエンドと思うかどうかに似てるように思う。

アレックスは条件のいい女性と結婚したい。

エイミーは適する環境で役に立ちたい。

フローは自らが望む看護の道を進んでいきたい。

身に覚えがある人も多い願いだと思います。皆が望む道を選んでいったこと自体、ここまでのハッピーエンドだと私は思います。この選択をせずに妥協してしまう方が各々にとってバッドエンドじゃないかな?ただ頭で選択を理解していても頼りにしていた人が去って、結婚の選択肢を自ら摘んでしまった孤独を味わい絶望するは人間単純に割り切れないですから理解出来ます。でもその絶望は悲劇じゃないよね。

いやいやそれにしてもアレックスの歌、難しすぎない?歌ってることが凄いけれど歌ったところであまり上手く聞こえない気がする。婚活してる方は結婚の意思がないなら別れるしかないよねとかよく聞く気がしてわりとありふれた話なんじゃないでしょうか。真剣に将来を考えているだけで私は特にダメ男に感じない。伝え方・言い方はあったのかもしれないけれど多分とてもシンプルに仕事を大切にしたいフローに今後結婚を押しつけないし、人として大切なフローを直接守れなくなってしまうけれど君なら出来ると信じているよという励ましに聞こえる。そしてそれを正しくフローは受け取っているように感じました。アレックスが結婚したいおかげでグレイのサムシング・フォーが際立ちますよね。目標はっきりしてて現実にも沢山いるタイプだと思うのにあまりにも愛されづらい役目で心配。

エイミーの頑張っても上手くいかない、フローが眩しすぎるという感情はよくあることだと思う。一人ひとり経験も思考も適性も違うから悩んで当然だし、不馴れな時は特に周りが出来ているように見える気がします。自分の出来ることを探しますも不眠不休で働く今の状況は続けられないけれど看護に携わるのを諦めるわけではなさそうだから頼もしい存在なんじゃないでしょうか。エイミーのような方がいたら今後フローの元に即戦力となる看護師が集まったかもしれないし長い目で見れば希望ですよね。

個人的には一人でマイクの前に立つエビータを見るたびにペロンどこいった?情があってもなくてもなぜ隣にいない??と思うから、フローを大切に思っているアレックスとエイミーがフローを看取るのは温かくて好きです。

ウィリアム・ラッセル 長尾 哲平さん

一幕の間だけで言うとこのラッセルが推し役です!フローへの追い風のように真実を伝えるひろめ屋としてスパイス的な役割か?と思っていたのに、実際は状況を冷静に見やる狂言回しとして舞台と観客の間に立ち問いかける。一歩引いた舞台上の物語の役目(ライター)と二重に引いた役割をしていて魅力的でした!そしてまた長尾さんのお声がよく通って聞きやすいのが心地良かったです。

ボブ 菱山 亮祐さん

ボブの幽体離脱びっくりしすぎました!ただ物語上あそこでさ迷ったおかげでフローとグレイの美しい結末を唯一知ることになったのは選ばれしものだと感じます。最後の最期までフローを守り続けた一人なの格好良すぎますね✨

飯村 和也さん

大臣いい~~飯村さんがいるというだけで期待してしまうところがありますし実際観て満たされるからめちゃくちゃ好きです!飯村グレイはありますか?結構見たいです!

澁谷 智也さん

澁谷お父さん、モリースより何倍も厳しくて厳格。ただその後のお役はお声の温かさに準じて温みのある優しげな負傷兵などで和みます。

男性アンサンブル

どなたか分からないのだけどフローを追い出そうとした軍人四人組にいて、酒場ではリバーダンスみたいなの踊ってる茶髪でアゴヒゲモミアゲでしっかりお顔を包んでる方が気になる。

鳥原 ゆきみさん

お母さんも良いけれどおいしいと感じるのは断然エリザベス女王ですね!あんなに堂々としてその堂々としてるのが似合うのはセンターに立ってきましたという華があるなと感じました。適切すぎる!エリザベス女王あんなにいじって大丈夫なの?という不安が生まれたんですがハミルトンでも同じようなことしてるらしい?私は未見なので分からないですがどうなんだろう。

松山 育恵さん

シャーロットが松山さんなの踊れて歌えて魅力あって…めっちゃ分かる!シャーロットにパトロンがいる時点で自由にはならない身なのだろうから結局グレイにはパトロンからの手紙があるのみでシャーロットの本心は分からないにしても共にある未来はなかったんだろうな。シャーロットはパトロンがいて今の生活があると知っていてもグレイと約束してしまうくらいにはグレイが好きだったのだろうと思うとグレイが見ていたシャーロットの姿ではない気がして切ないですね。忘れられないか、忘れようと努める存在だった気がします、なんにも慰めになりませんが。シャーロットの酒場での姿が本質だと思うととても庶民的な感覚を持った方なのだと感じる。